研究概要 |
高精度・高解像度等密度面平均海洋気候値データおよび冬季混合層気候値データから見積もった,サブダクション率と流跡線に沿う冬季海面密度の水平勾配とから,モード水の低渦位の起源について調べた.その結果,北太平洋中央モード水の低渦位生成には,主に,小さな水平密度勾配が寄与していること,軽いタイプの中央モード水については,大きなサブダクション率も部分的に寄与していることを明らかにした. WOCE等で得られた複数のシノプティック観測断面を組み合わせて用いて,中央モード水の移流経路を調べ,上記の気候値データから推測される移流経路と比較した.その結果,中央モード水のコアに相当する低渦位舌は気候値データによる流線を,亜熱帯循環の中心に向かって横切りつつ広がっていることが示された. 利用可能な全てのプロファイリングフロートデータを用いて,北太平洋の冬季混合層の時間発展を詳細に調べ,冬季混合層の深度と密度が最大となる時期が必ずしも同じではないこと,それらの時期に海域による違いがあることを見出した. 平成16年度に投入した酸素センサー付等密度面追随型プロファイリングフロートの酸素データを船舶観測データと比較するなどして,その精度を検討した.一定のバイアスが存在するものの,センサーの時間安定性は来分けて高いことを確かめた. 上記フロートの振る舞いを検討し,浮上沈降サイクル,測定層設定など,仕様に改良を加えて,平成18年度に投入するフロートを購入した 気象庁165°E定線観測および白鳳丸本州東方観測に参加して,フロートデータとの比較に使用する高精度データを取得した.
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