研究分担者 |
荻野 慎也 神戸大学, 自然科学研究科, COE研究員 (80324937)
森 修一 海洋科学技術センター, 地球観測フロンティア研究システム, サブグループリーダー (00344309)
はしもと じょーじ 神戸大学, 自然科学研究科, COE研究員 (10372658)
岩山 隆寛 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (10284598)
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研究概要 |
本研究の目的は,地球の海洋大陸域等にある,局地循環でも全球規模潮汐でもない「1000kmスケールの大規模な組織的日変化」について,観測的・理論的に解明することである. 初年度である本年度は,観測・理論結合研究の立ち上げとして,以下のように実施した: (0)「研究環境の整備」:本研究の主要設備備品として,各種観測データを格納し,かつ理論的・数値的研究にも用いるワークステーションを導入した. (1)大規模で組織的な日周期変化が形成されるメカニズム:海洋大陸〜東南アジア域で取得・収集してきた地上・高層気象観測データを,一部補充しつつ解析し,大規模日周期変化の現れ方の季節的・地理的違いを詳細に分析することを開始した.日射によって大気中に励起され得る様々の現象として,局地循環(海陸風・山谷風・ヒートアイランドなど)や全球的な大気熱潮汐なども含めて,理論的・数値的に研究することを開始した. (2)大規模日周期変化が,季節内・季節(年周期)・経年変動に及ぼす影響:(1)に全球客観解析・衛星観測データを加えて,大規模日変化がどのくらい広域にわたって生じているか,その生じ方がより大規模な季節内・季節・経年変動とどのような関係にあるか,などの詳細な解析を開始した.また数1000kmにわたる組織的な日周期強制や,領域により異なる日周期の強制があるときの全球大気のレスポンスについての理論的・数値的な研究を開始した. (3)地球型惑星大気の振舞における自転や公転などが果たす役割:他の地球型惑星(金星・火星)まで含めた,日射不均一が起こす大気運動(水平対流)の一般論と,その物質輸送や気候維持・変動への意義に関する研究を開始した.さらに太陽系内には存在しないが他の惑星系でなら存在する可能性があるようなケースについても考察を広げつつある.
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