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2004 年度 実績報告書

海底洞窟堆積物による後期完新世の古環境復元

研究課題

研究課題/領域番号 16340159
研究種目

基盤研究(B)

研究機関静岡大学

研究代表者

北村 晃寿  静岡大学, 理学部, 助教授 (20260581)

研究分担者 加瀬 友喜  国立化学博物館地学研究部, 室長 (20124183)
酒井 英男  富山大学, 理学部, 教授 (30134993)
藤田 和彦  琉球大学, 理学部, 助手 (00343377)
キーワード海底洞窟 / 堆積物 / 完新世 / 古環境 / 貝類 / 有孔虫 / 古地磁気
研究概要

平成16年度は,沖縄県本部半島沖合に位置する伊江島北東岸沖にある海底洞窟"大洞窟"とそれに隣接する"小洞窟"から,堆積物試料を採取した.採取には,本研究費の一部を使用して作成した採泥器を用いた.その結果,大洞窟から4本のコア試料,小洞窟から2本のコア試料の採取に成功した.殊に,大洞窟からは長さ148cmの堆積物試料を採取できた(これまでの最長のコア試料は約90cmである).この試料は塊状の石灰質シルトからなり,放射性炭素年代測定によって5,500年間の記録を有していることが分かった.注目すべきは,表層から120cmの深さで堆積物が,浅黄橙色から灰白色へと変化することである.しかも,その境界は極めて明瞭である.放射性炭素年代測定によると,この年代は約5,000年前と推定される.汎世界的海水準変動曲線に基づくと,約5,000年前の海水準は現在と同じレベルにある.一方,大洞窟の入り口は水深20m付近にあり,また洞窟の天井は水深10mである.したがって,大洞窟は約8,000年前に完全に水没したのである.つまり,海水準変動とは関係ない事象によって洞窟内の堆積環境が変化し,それが堆積物の色調に記録されたのである.この環境変化の原因を検討するために,堆積物の粒度分析,貝類・底生有孔虫群集の組成変化,堆積物の磁気特性を検討中である.また,小洞窟の堆積物試料に関しても,堆積物の粒度分析,貝類の組成変化を検討中である.
今年度の調査結果を踏まえて,次年度ではより長いコア試料を採取するために,採泥器の改良を行なっている.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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