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2006 年度 実績報告書

海底洞窟堆積物による後期完新世の古環境復元

研究課題

研究課題/領域番号 16340159
研究機関静岡大学

研究代表者

北村 晃寿  静岡大学, 理学部, 助教授 (20260581)

研究分担者 加瀬 友喜  国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (20124183)
酒井 英男  富山大学, 理学部, 教授 (30134993)
藤田 和彦  琉球大学, 理学部, 助手 (00343377)
キーワード海底洞窟堆積物 / 土石流堆積物 / 古地震
研究概要

これまでの本研究で長さ1.6mのコア試料の採取に成功したが,海底洞窟の基盤には達していない.そこで18年度はステンレスのコア(直径3cm,肉厚2mm)と持ち手からなる採泥器を使い,堆積物コアの採取を試みた.その結果,大洞窟の堆積物の厚さは約3.4mで,堆積表層から深さ1.25m以深にある淡黄色石灰泥(上限年代はBC3,500年頃)は粗粒物質を多く含むことが分かった.その経緯は以下の通りである.
採泥器は堆積表層から約1.5mまではスムーズに入ったが,そこに入りにくい層があり,そこを超えると再びスムーズに入り,深さ3.4mで基盤に当たった.その状態で堆積物の採取状況を調べたところ,1.5m分しか堆積物が入っていなかった.そして回収した堆積物を調べた結果,コア先端が直径2cm程の粒子で詰まっていた.以上のことから,淡黄色石灰泥に含まれる粗粒物質でコアが詰まり,それより下位の堆積物が入らなかったことが分かったのだ.淡黄色石灰泥に含まれる貝類試料の放射年代値は,淡黄色石灰泥層が土石流堆積物である可能性を示唆する.そうならば,この土石流堆積物の発生はBC3,500年頃に起こった巨大地震に伴う振動によるかもしれない.沖縄周辺では古地震に関する情報がほとんどないので,海底洞窟堆積物は完新世の海洋環境の情報源だけでなく,古地震の情報源になりうるかもしれない.
以上に述べた当該年度の研究で,大洞窟の堆積物の層厚や淡黄色石灰泥層の性状に関する知見が得られた.これらの知見を踏まえて,コアの直径を6cmにして,また本数を増して,洞窟の底まで達する堆積物コアの採取を目指す.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Potential of submarine-cave sediments and oxygen isotope composition of cavernicolous micro-bivalve as a late Holocene paleoenvironmental record2007

    • 著者名/発表者名
      Kitamura, Yamamoto, Kase ほか
    • 雑誌名

      Global and Planetary Change 55

      ページ: 301-316

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 沖縄県伊江島の海底洞窟堆積物から見つかった軽石散在層2006

    • 著者名/発表者名
      北村晃寿, 加瀬友喜ほか
    • 雑誌名

      第四紀研究 45

      ページ: 141-144

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Changes in cavernicolous bivalve assemblages and environments within a submarine cave in Okinawa Islands during the last 5,000 years

    • 著者名/発表者名
      Kitamura, Hiramoto, Kase ほか
    • 雑誌名

      Paleontological Research (出版中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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