研究課題/領域番号 |
16340163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
塚本 勝男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60125614)
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研究分担者 |
中村 教博 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80302248)
横山 悦郎 学習院大学, 計算機センター, 教授 (40212302)
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キーワード | コンドリュール / 結晶成長 / 核形成 / バードオリビン / フェーズフィールド / 干渉計 / その場観察 |
研究概要 |
1.現有のガス浮遊装置を利用して、バードオリビン・コンドリュールと放射状輝石コンドリュールの組織再現実験を行った。その際、メルト球の冷却を左右する環境温度は、購入する小型マイケルソン干渉計でガス温度を直接"その場"測定した。本研究代表者は、リム部(表面からの放射冷却支配)と内部(熱伝導支配)の成長メカニズムの相違、成長速度の過冷却度依存性、が2重構造を支配するという定性的なモデルを提案していたが、本研究でそのモデルが検証された。 2.横山は冷却中のメルト球がリム部と内部構造の2重組織を持つのは、常に限定された狭い条件でしかありえないことを、フェーズ・フィールド・モデルを利用したシミュレーションで示した。この予想は実験方法によってリムの有無が決まるという経験とも一致し、今後天然のコンドリュール形成温度の推定に大きく寄与するはずである。これらの理論的な予測と実験結果を対比させることで、現実味のあるモデルに近づけることができた。 3.オリビン・コンドリュールのバー状組織は400-1000℃の超高過冷却メルトからでのみ形成されることが分かった。また、結晶化の時間は数秒程度に限定される。従来の説のような徐冷過程では形成されない。また、リム部と内部のバー状組織の形成にも、数秒程度の急冷が不可欠である。 4.輝石コンドリュールメルトからの結晶化は、結晶の核となる微細結晶を外部から取り込まない限り不可能である。単純な冷却ではガラス質になる。
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