研究課題
地震波速度異常やポアソン比異常から、地殻内のフルイド貯留層の形態や震源近傍構造を評価するためには、地殻深部に相当する温度圧力条件下での岩石の弾性波速度とポアソン比を精確に測定することが非常に重要である。本研究では、ピストンシリンダー型高温高圧装置を改良して、岩石のP波およびS波速度を最大1GPa800℃の高温高圧下で同時に測定する装置を開発し、一ノ目潟捕獲岩やパキスタン産コヒスタン下部地殻岩類などの地殻深部構成岩石のVp/Vs比やポアソン比を精密に測定した。これらの研究成果の一部はすでに、Geophysical Research Letters誌33巻に掲載され、Physics of The Earth and Planetary Interiors誌にも受理された。さらに水を加えた条件で弾性波速度を測定できるように、高圧セルおよび弾性波発生部を改良した。具体的には、水の量比と弾性波速度との関係を明らかにするために、上部地殻の主要構成鉱物の一つである石英に着目し、石英-水系のP波速度をピストンシリンダー型高温高圧発生装置を用いて圧力0.1GPa-0.6GPa,温度20-500℃の条件下で測定した。その結果、含水率の増加に伴いP波速度低下率は線形に増加し、約1.Owt%の‘wet'条件においてP波速度低下率は約4%を示した.多結晶石英-水系の弾性波速度に関する成果の一部は、平成18年12月のAmerican Geophysical Union(サンフランシスコ)において発表を行った。
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Physics of The Earth and Planetary Interiors 印刷中
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