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2005 年度 実績報告書

高圧X線トポグラフィ法の開発とマントル鉱物のレオロジーへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 16340171
研究機関岡山大学

研究代表者

神崎 正美  岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (90234153)

キーワードX線トポグラフィ法 / 高圧鉱物 / マントル / レオロジー / 放射光 / オリビン / スピネル / 相転移
研究概要

本研究では高圧下での放射光を使ったX線トポグラフィ法の開発に挑んできた.今年は2年目(最終年度)である.要約すると本研究によってマルチアンビル高圧装置中の高温高圧状態の単結晶試料からのトポグラフィ像を観察することが可能になった.
1年目の経験をもとにオリビンとルチル(TiO2)単結晶の観察を行った.室温での圧縮時には試料に応力によると思われる像が伸びる現象が普遍的に見られた.温度の上昇でこれはほぼ最初の状態に戻るが,加熱中に像が差動回転するような映像が見られた.これは温度勾配による熱膨張率の違いによりトポ像がずれて見えるためと解釈した.温度勾配がトポ像に反映されるため,像の解析から温度分布が2次元的に分かる可能性がある.像自体の観察には温度分布を押さえる必要があるためヒーターに工夫を行った.温度一定でさらに加圧していくと像が大きく変形して長く伸びる現象が普遍的に観察された.この現象を示したオリビン結晶を回収して観察すると多結晶化していた.多結晶化する理由はX線の吸収を極力防ぐために使用している圧力セル内に光路としてグラファイトやBNを埋め込んでいるが,これらが高温下で外に流れ出して,さらに試料周りの柔らかい媒体が逃げ出すことにより,試料に応力がかかり多結晶化する.この逃げ出しを防ぐ必要がある.一方ルチルの場合には回収した試料に多数の共役な線上の構造が見えた.これはshear bandではないかと思われる.shear bandで区切られた中はまだ単結晶であるが,方位はわずかにずれており,長いスポットになったと思われる.
現在の重要な問題点は使用している高圧装置では試料-カメラ間距離がどうしても長くなり,アライメントに時間がかかりすぎることである.今後は距離を短くするために,超小型高圧装置を製作し,それを放射光施設に持ち込んでこの問題を克服するように準備を進めている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Cation order and hydrogen bonding of high-pressure phases in the Al2O3-SiO2-H2O system : An NMR and Raman study2006

    • 著者名/発表者名
      X.Xue, M.Kanzaki, H.Fukui, E.Ito, T.Hashimoto
    • 雑誌名

      American Mineralogist 91(印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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