研究課題
1.コンプレックスプラズマ中で多数の微粒子が形成する構造について動力学粒子シミュレーションを用いて研究をすすめた。帯電量と質量が一定の多数の微粒子が重力の作用しない状況下で静電ポテンシャルによって等方的に閉じ込められたとき、3次元の球殻構造を形成すること、デバイ遮蔽の大きさにより球殻の大きさが変化することを明らかにした。一方、系の安定構造を探るため、定常状態における系の全エネルギーが極小となる条件から準安定構造の存在を見出した。動力学シミュレーション及びハミルトニアンの安定解を求める手法共に粒子数の階乗に比例して時間のかかる計算のため、現在核融合科学研究所のスーパーコンピュータを使っての計算を実行しているが、アウトプットの困難を伴う為、我々の研究室でPCクラスターの構築を始めている。2.コンプレックス中の微粒子間に働く力を熱力学的自由エネルギーの計算から解析を行った。負に帯電した微粒子は二つの微粒子が、プラズマのデバイ波長程度の領域にある場合には反発しあうが、デバイ波長の数倍はなれるとお互いに引き合うことが明らかにされた。3.極低温下における二重のガラスデュワーを使ったコンプレックスプラズマの振る舞いを調べるための実験では、安定なプラズマを得るために、電極構造、電極位置等、さまざまな工夫を試みた。内部にためられた液体ヘリウム表面上の蒸気中でプラズマを生成し、直径5μmのアクリル微粒子をプラズマ中に供給してコンプレックスプラズマの条件を作った。ガラスデュワーの光学スリットを通してHe-Neレーザーを照射したところ、平板電極上の領域に浮遊する微粒子群を観測した。ただしプローブ測定によるプラズマパラメータの決定にはいたっていない。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
Physics of Plasmas Vol.12, No.7
ページ: 070706-1-070706-3
Journal of Plasma Fusion Research Vol.82, No.2
ページ: 75-76
AIP Conference Proceedings Vol.799, No.1
ページ: 470-473