研究課題
基盤研究(B)
コンプレックスプラズマの基礎物性を理論、実験、シミュレーションにより研究した。デュワ瓶中にガラス管を入れ、管の周辺を極低温に保ったヘリウムガス中でプラズマを生成し、アクリル微粒子(直径1〜10μm)を注入することにより、コンプレックスプラズマ物性を調べた。微粒子はガラス管底部近くのシース境界領域で、クーロンクラスターとして浮上することを確認した。一方、デュワ瓶内に小型ガラス放電装置を入れて、その底部の穴から液体ヘリウム蒸気中に出てきた微粒子の浮上の様子、渦を巻く様子を観測することに成功した。また常温での微粒子の振る舞いを観測するため、線形大容量放電装置を設置し、レーザー照射により、個々の微粒子が映しだされ、その振る舞いを詳細に調べることが可能となった。特に微粒子の衝突がCCDカメラで捕らえられ、荷電粒子の衝突理論を検証することができた。シミュレーションによるコンプレックスプラズマ研究は、微粒子が作る構造に焦点を当てて進められた。地上の実験では微粒子の重力ゆえに、微粒子はシースにおける電場の作用を受けることによってのみ定常的に浮上して存在できるが、重力が無視できるような環境では、コンプレックスプラズマの中では有効的なポテンシャルができて、微粒子はプラズマの中に閉じ込められることになる。鎖状構造やたまねぎ状の球殻構造など、自己組織化による構造形成を示し、閉じ込めポテンシャルの形状によって構造を変化させる。これまでに3次元におけるシェル構造において果たすデバイ波長の効果を明らかにした。一方、系の安定構造を探るため、定常状態における系の全エネルギーが極小となる条件から準安定構造の存在を見出した。また、シースの中でイオンの流れがあるようなところで、微粒子間に働く力を熱力学的自由エネルギーの観点から理論的に解析を行い、負に帯電する微粒子の間に働く引力、斥力の存在を明らかにした。
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