研究課題/領域番号 |
16340184
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤山 寛 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (20112310)
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研究分担者 |
松田 良信 長崎大学, 工学部, 助教授 (60199817)
篠原 正典 長崎大学, 工学部, 助手 (80346931)
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キーワード | プラズマ・核融合 / 半導体超微細化 / マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / プラズマ加工 |
研究概要 |
本研究では、1mm^φ以下の医療用生体適合管(カテーテル)への機能性薄膜の成膜を最終目標として、磁界中高周波マイクロプラズマを用いたPVDプロセスによる絶縁物細管内壁コーティング技術の確立を目標としてきた。繰り返しパルスバイアスをターゲットに印加した状態でスパッタリングを行った場合、管内にプラズマを維持したまま1mm径のガラス管内壁に金成膜を行うことに成功した。 1)過渡的イオンシースの理論計算 パルスバイアスを用いたプロセスにおいて過渡的イオンシースの理論計算を行い、プラズマの消滅との関わりを調査した。短ギャップ長放電では、イオンシーズの拡大がプロセス中のプラズマ消滅の原因と成り得る。特にチャイルド則シースの形成長が消滅に寄与し、管内でプラズマを維持するためには、10^<17>m^<-3>オーダーの電子密度が必要である。 2)イオン電流密度の測定 PVDプロセスにおいて重要なパラメータであるターゲットへのイオンフラックスの測定を行った。ギャップ長の短縮にともない印加電圧の増加と共にイオン電流密度は減少したが、成膜を行うには十分な値であり、イオン電流波形を元に堆積速度の算出を行うことに成功した。 3)パイレックスガラス基板への成膜 キセノンガスを用いることにより1mm^φ基板へのAu薄膜の成膜に成功した。原子間力顕微鏡による表面均一性の測定結果から、パルス周波数を増加させることで均一性が改善されるという結果が得られた。 4)ポリマー系基板への成膜 成膜時間を分割することで、基板が融解する前にPVC(5.8mm^φ)とETFE(1.8mm^φ)基板へAu,Ag薄膜を成膜することに成功した。しかし基板と薄膜の密着力は弱く、剥離しやすい薄膜であった。この解決策としては、基板と薄膜の間に中間層となる薄膜を作製するか、基板の前処理により化学的な結合を利用する方法があると考えられる。
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