研究課題
基盤研究(B)
分子内に2つのCp^*配位子(η^5-C_5Me_5)と光応答機能の担い手となるジチオナイト配位子(μ-O_2SSO_2)を有するロジウム二核錯体[(Cp^*Rh)_2(μ-C(μ-O_2SSO_2))(1)が、結晶相で光応答を示すことを見出した(μ-O_2SSO_2〓μ-0_2SOSO)。錯体1の結晶中のCp^*配位子の運動を詳しく調べるために、Cp^*配位子の水素原子を全て重水素化したCp^<*d15>配位子(η^5-C_5(CD_3)_5)を有する[(Cp^<*d15>Rh)_2(μ-CH_2)_2(μ-O_2SSO_2)〕(1-d_<30>)を合成した。錯体1-d_30の温度可変固体^2H NMR測定とスペクトルの波形解析によって、反応空間を形成する配位子の運動に関する詳細な検討を行った。その結果、(1)Cp^*配位子の運動モードは、「配位子のC_5軸に沿った回転運動」であること、(2)結晶中で非等価な環境にある1分子中の2つのCp^*配位子の回転運動の活性化エネルギーは、33±3と7.8±1kJ/molであることが分かった。さらにCp^*環の化学修飾に成功し、新規ジチオナイト錯体の単結晶フォトクロミズムについて系統的に検討した。温度可変固体^2H-NMRの測定によって、結晶中での光応答空間の動的挙動を詳細に明らかにすることができた。興味あることに、n-プロピル置換基を導入した錯体を用いると、不斉結晶化を利用した絶対不斉光異性化反応が進行することを見出した。また光照射初期の段階で,光相転移がおこることを見いだした。これまでに得られた成果は、国際会議8件、国内の学会25件で発表した。7報の学術論文発表と2件の特許出願を行った。
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