研究課題
基盤研究(B)
1.本研究は、バイオターゲッテング能を有する金属錯体をデザイン・合成し、それらの抗癌活性、核画像診断薬能、PDT(光線力学的療法)効果、抗菌性をin vivoならびにin vitro試験を通じての検証、ついで作用機序を解明することにより、糖質を機能素子とする先端医療用金属錯体という新物質領域を開拓することを目的としている。2.水溶性とともに特定の細胞に対する認識力を持たせることを期待し、抗腫瘍性白金(II)錯体シスプラチンに糖分子を導入した化合物の合成を行った。光線力学療法用の一連の糖連結ポルフィリン誘導体の合成とPDT効果について検討した。ドラッグデリバリー機能が期待されるReおよび^<99m>Tc錯体の開発として、一連の新規糖連結1,3-diaminopropane(L)および2,2'-dipicolylamine(L')との反応により、[Re(L or L')Br(CO)_3]Br錯体の合成を行った。また、[^<99m>Tc(H_2O)_3(CO)_3]とLおよびL'と反応させ、そのHPLCの挙動を対応するRe錯体と比較検討した。三脚型S-グリコシドを配位子とするAg(I)錯体についての合成、および抗菌活性について検討した。3.糖連結シスプラチン型錯体は、糖の種類によって抗癌活性及び毒性が大きく影響を受けることが示された。糖連結ポルフィリン誘導体は、糖の種類によってPDT効果が大きく影響を受けることが示された。糖鎖連結[Re(I) or ^<99m>Tc(I)]錯体は6配位八面体構造である。特に、L'を含む錯体はシスティンやヒスチジンとの配位子交換反応においてかなり安定であることが判明し、L'錯体は核画像診断薬として優れたものであることを示している。新規糖連結NS_3^-型単核Ag(I)錯体は、糖の種類に関係なく、バクテリア、イースト菌および真菌に対し良好な抗菌活性を示した。
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