研究概要 |
環状ペプチドを疎水性分子認識部位とし、複数の認識部位を導入できるテンプレート化合物を設計し合成を行った。チロシン残基からなる環状ペプチドのカルボニル基が還元された環状アミンをテンプレート骨格として,N-アルキル鎖を導入することにより、チロシン由来の芳香環を環に対して鉛直上に平行に並んだ形にすることができると考えた。そこで,繰り返し構造を有するポリアザ環状化合物の合成法を検討した。N-置換アジリジンに対する位置選択的なN-アルキル化を検討したところ,アジリジンの窒素原子上の置換基により反応性,開環の位置選択性が異なることを見出し,置換基の少ない側からの開環が位置選択的に起こる条件を確立した。この際求核剤としてN-ノシル化合物が有効であることを明らかとした。本反応を繰り返し行い,9,12,15員環の環化前駆体を合成した。それらについてN-アルキル化による環化反応を行い,ポリアザ環状化合物の合成法を開発した。
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