研究概要 |
ペプチドの二次構造はタンパク間の相互作用にたいへん重要である。芳香族を含む環状ペプチドはペプチド側鎖の位置,向きを規制することができるので、分子認識場をつくるペプチドミメティックとして有効と考えた。ヨウ化ベンジルアミンに対し,ペプチドを導入し,パラジウム触媒を用いるカルボニル化-分子内アミド化反応により,環状ペプチドが効率よく合成できると考えた。芳香族化合物にはオルト,メタ,パラ位置異性体を選択可能であり,ペプチド残基との組み合わせによりコンビナトリアルライブラリーを構築することが可能である。そこで固相合成法を開発した。 アルデヒドリンカーを有する固相担体に,ヨウ化ベンジルアミンを還元的アミノ化により担持した。Fmoc-アミノ酸を順次縮合し,4残基ペプチドを得た。固相上でカルボニル化反応を行い,環状ペプチドの合成に成功した。 この固相合成法を用い,3種類のヨウ化ベンジルアミン,4種類のペプチド,4種類の直鎖アミノ酸スペーサーの組み合わせからなる48化合物のコンビナトリアル合成を達成した。
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