研究課題
基盤研究(B)
研究代表者らは、以前、かさ高い光学活性基を持つフェニルアセチレンを重合するとこのキラル置換基を不斉源として主鎖に不斉が誘起されることを発見した(不斉誘起重合)。この主鎖不斉は不斉炭素などの中心性不斉を有さず、純粋にらせんコンフォーメーションのまき方向によると思われ、その構造および機能に興味が持たれた。しかし、この高分子は高分子主鎖に誘起される不斉構造以外に、モノマーがもともと有している光学活性置換基に起因する不斉構造の2つを持つため、主鎖らせんそのものの不斉構造、不斉認識機能を見極めることが難しかった。そこで研究代表者らは、高分子主鎖のらせん不斉構造以外にいかなる不斉構造をも有さないポリフェニルアセチレンの合成を、キラル触媒系を用いたらせん選択重合により初めて実現した。さらにこの重合におけるらせんのまき方向の制御が、キラル量だけで無く、アキラル量によっても行われるという事実を発見した(らせん選択制御重合)。また、得られる高分子の主鎖不斉が、分子内水素結合で保持されており、いわば、超分子ラダーキラル二重らせん高分子構造をとっていることを示した。この主鎖不斉はらせん不斉構造以外にいかなる不斉構造をも有さないというこの高分子にしかない特徴をもち、かつその不斉構造は分子内水素結合を切断することで消滅するというやはりこの高分子にしかない特徴をもつ。本研究は以上のような新しい合成法とそれにより得られる新しい高分子の特性に関して、さらに以下の点を追究したものである。(1)らせん選択重合の一般化(2)らせん選択(制御)重合の機構考察(3)超分子ラダーキラル二重らせん高分子の機能開発(4)超分子ラダーキラル二重らせん高分子の構造考察
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