研究課題/領域番号 |
16350064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
青井 啓悟 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30222467)
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研究分担者 |
野村 信嘉 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (70291408)
岡田 鉦彦 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20023103)
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キーワード | デンドリマー / シュガーボール / 糖鎖高分子 / 分子認識 / ナノ材料 / 生医学材料 / 薬物送達システム / 遺伝子送達システム |
研究概要 |
本研究では、薬物輸送システムおよび遺伝子輸送システムなどへ応用する、生体適合性および生分解性の新しいシュガーボールの精密構築とその細胞認識能の解析を行うことを目的とする。すなわち、分子認識能・情報伝達能を有する糖質をもつ新規球状糖鎖デンドリマーの合成を行い、細胞認識能などの生化学的機能と分子構造との相関を解明し、新たな生医学材料設計の指針を示すことを目指す。 シュガーボールの内部デンドリマーとして、生体親和性が高いと考えられる脂肪族ポリエーテル型デンドリマーの合成をConvergent法により行った。脂肪族ポリエーテル型デンドリマーは、以下の反応の繰り返しにより合成した。すなわち、水素化ナトリウム存在下で、ジベンジルグリセロールと3-クロロ-2-クロロメチル-1-プロペンとの反応により、コアがオレフィン型の4末端型脂肪族ポリエーテルデンドリマーを調製した。このコアがオレフィン型のデンドリマーから、9-BBNを用いたヒドロホウ素化反応により、コアが水酸基型の第2世代脂肪族ポリエーテルデンドリマーを合成した。これらの反応を繰り返して、ポリエーテル型デンドリマーを合成した。 糖は、後に分子認識能を解析するために構造明確な受容体と結合させる目的で、N-アセチル-D-グルコサミン誘導体を合成した。すなわち小麦胚芽レクチン(WGA)は、多価の糖を認識するが、受容体の糖結合部位の構造がX線解析により判明しているので、糖と受容体との認識における構造の一致を、オングストロームからナノメートルスケールにかけての微細領域で詳細に議論することができる。その小麦胚芽レクチンと特異的に認識するN-アセチル-D-グルコサミン型について検討した。 デンドリマーの化学構造を、NMR, IR測定などで評価した。分子量は、GPC測定、MALDI-TOF-質量分析測定ならびに光散乱測定により評価して、目的とする構造が形成されていることを確認した。 本研究に関連する成果は、裏面の学術論文の他に、次の新聞に掲載された。 ・平成17年2月23日、日経産業新聞「ナノ間隔に糖並べる-デンドリマー使い幅調整-」名古屋大学、青井啓悟ら
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