研究課題
基盤研究(B)
今年度は金属カルボキシレートナノ多孔質結晶の合成法の開発として、複数の官能基をもつカルボン酸と金属イオンとを反応させ、多孔質結晶の形成についての知見を得ることを集中的に検討した。その結果、複数のカルボン酸をベンゼン環などで接続したものを用いることで多孔質の結晶が得られることが明らかになった。さらに、結晶化条件を様々検討することにより、既報と同様の方法以外の方法で、多数の多孔質結晶の形成を行うことが可能になった。また、これらの多孔質結晶をモノマー溶液に浸すことにより、モノマーが多孔質結晶に取り込まれることが明らかになった。これらの知見を基にして、多孔質結晶中でのモノマーの重合を今後検討する。これらの多孔質結晶の合成法の確立と同時に多孔質結晶の枠組みに反応性官能基を導入するための合成を進めている。しかしながら、現在のところ保護基を導入した架橋剤の合成の途中であり、重合反応基であるジアセチレンの導入などはまだ行うことができていない。これらの反応条件の制御を行うことで、重合性官能基を多数導入したナノ多孔質結晶の原材料の合成を進める。今後はこれらの化学合成を進めつつ、亜鉛・鉄・銅・水銀・ニッケルなどの遷移金属イオンと反応させ、塩形成を伴うナノ多孔質化反応を行い、多孔質構造の構築を行う予定である。その後は多孔質結晶内での重合性官能基の重合を行い、3次元結晶高校地区に向けた新規反応の開拓を行い、新しい多孔質高分子の合成の基本的な概念を明らかにする。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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