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2006 年度 実績報告書

多糖・オリゴ核酸複合体を用いた抗原提示細胞への免疫刺激性CpG配列のデリバリー

研究課題

研究課題/領域番号 16350068
研究機関北九州市立大学

研究代表者

櫻井 和朗  北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70343431)

キーワードCpG DNA / 多糖 / GDS / 抗原提示細胞 / 多糖・核酸複合体
研究概要

近年、ウイルスに特異的なDNAの配列であるメチル化されていないCpG DNAを免疫系の細胞である抗原提示細胞に取り込ませて、細胞性免疫の活性する方法が注目を浴びている。しかし、CpG DNAそのものは生体で分解されやすく、デリバリーシステムの開発が不可欠である。そこで、SPGと核酸の複合体をこのデリバリーに応用することを目的として研究を始めた。すでに明らかにされている様に、シゾフィラン(SPG)は水素結合と疎水的相互作用によって、DNAと2:1の3重螺旋複合体を形成する。この複合体は培地中のDNaseによるDNAの加水分解を大幅に抑制するとともに、アルブミン等の血漿タンパクとDNAの非特異的吸着を抑制する。あらかじめs-SPGに修飾された細胞表面結合部位によって、s-SPG/DNA複合体はエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれる。たとえば、コレステロールを修飾したSPGとCpG DNAの細胞への取りこみでは、LDL受容体を介して細胞に取り込まれ、エンドソームへ移行する。後期エンドソームのベシクル内のpHは5程度まで低下することが知られている。pHが酸性側になると核酸塩基のプロトン化によって複合体が解離し、TLR9に認識されて免疫を刺激する。
本年度は、おおくの抗原提示細胞に発現しているDectin1と呼ばれるパターンレコグニッションレセプターがβグルカンを認識して取り込むことを利用して、マクロファージなどに選択的にSPGが取り込まれることを明らかにしてきた。さらに、抗原タンパクをSPGにコンジュゲートすることで、抗原タンパク特異的にTh1誘導を行い、アレルギー等の治療薬になりうることを示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Ternary Complex Consisting of DNA, Polycation, and a Natural Polysaccharide of Schizophyllan to Induce Cellular Uptake by Antigen Presenting Cells2007

    • 著者名/発表者名
      Takeda, Y., Shimada, N., Kaneko, K., Shinkai, S., Sakurai, K.
    • 雑誌名

      Biomacromolecules 8

      ページ: 1178

  • [雑誌論文] Synthesis and in Vitro Characterization of Antigen-Conjugated Polysaccharide as a CpG DNA Carrier2006

    • 著者名/発表者名
      Shimada, N., Ishii, K.J., Takeda, Y., Coban, C., Torii, Y., Shinkai, S., Akira, S., Sakurai, K.
    • 雑誌名

      Bioconjugate Chem. 17

      ページ: 1136

  • [雑誌論文] Polyrotaxane/DNA Conjugate by Use of Intercalation : Bridge Formation between DNA Double Helices2006

    • 著者名/発表者名
      Tokuhisa, K., Hamada, E., Karinaga, R., Shimada, N, Takeda, Y., Kawasaki, S., Sakurai, K.
    • 雑誌名

      Macromolecules 39

      ページ: 9480

  • [雑誌論文] Galactose-PEG Dual Conjugation of β -(1 → 3)-D-glucan schizophyllan for antisense oligonucleotides delivery to enhance the cellular uptake2006

    • 著者名/発表者名
      Ryouji Karinaga, Takahisa Anada, Jusaku Minari, Masami Mizu, Kazuya Koumoto, Junji Fukuda, Kohji Nakazawa, Teruaki Hasegawa, Munenori Numata, Seiji Shinkai, Kazuo Sakurai
    • 雑誌名

      Biomaterials 27

      ページ: 1625

  • [産業財産権] Th2 細胞関連疾患の予防等に用いられる核酸/多糖複合体【2006

    • 発明者名
      櫻井和朗, 新海征治, 嶋田直彦, 審良静男, 石井健
    • 権利者名
      JST
    • 産業財産権番号
      出願番号 特願2006-282148
    • 出願年月日
      2006-10-17

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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