研究課題/領域番号 |
16350072
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
萩原 理加 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (30237911)
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研究分担者 |
後藤 琢也 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (60296754)
野平 俊之 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00303876)
小原 真司 財団法人高輝度光科学研究センター, 放射光研究所, 研究員 (90360833)
齋藤 唯理亜 産業技術総合研究所, 研究員
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キーワード | 溶融塩 / イオン液体 / イオン性液体 / 電解質 / キャパシタ / 電池 / 導電率 / 耐電圧 |
研究概要 |
室温溶融塩1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムフルオロハイドロジェネートRMIm(HF)_nFのイオンの状態について、磁場勾配NMR測定から得られたイオンの自己拡散係数および塩の粘性率からストークス=アインシュタイン関係に基づいた考察を行った。アルキル側鎖が長くなりカチオンサイズが大きくなるほど、イオンの会合度は低下した。また、カチオンのサイズが小さくなるにつれて、A(AX)_m^+やX(AX)_n^-といった電荷輸送の単位となる化学種としてのイオンにおける規則構造化の程度が高くなり、拡散係数も大きくなることがわかった。 EMImHF_2とHFの定量的な反応によってEMIR(HF)_nFのnを調整した塩を合成した。n=1.0から2.6の範囲で状態図を作成し、相律に基づいた検討を行なった結果、EMIm(HF)_<1.5>FやEMIm(HF)_2Fなどの化合物が存在することが示唆された。nの値が1.7以上の時、融点は-50℃以下を示した。導電率はnの値の減少とともに減少し、EMIm(HF)_<1.3>FではEMIm(HF)_<2.3>Fの約半分になる。これに対して電気化学窓についてはnに対する依存性はあまり見られなかった。 高耐電圧を有するイオン性液体として解アルキル-N-メチルピペリジニウムおよびN-アルキル-N-メチルピロリジニウムのフルオロハイドロジェネート塩を開発した(アルキル基はそれぞれ、エチル、プロピル、ブチル基)。これらのイオン性液体はいずれも5V前後の電気化学窓を示した。耐電圧の向上は主として非芳香族4級アンモニウムカチオンの耐酸化性の向上、すなわちアノード限界の電位が貴にシフトしたことによる。特にN-エチル-N-メチルピロリジニウムフルオロハイドロジェネートが75mScm^<-1>というイミダゾリウム塩につぐ高い導電率を維持していることがわかった。
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