研究課題/領域番号 |
16350075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荒殿 誠 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20175970)
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研究分担者 |
瀧上 隆智 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (40271100)
大嶋 広行 東京理科大学, 薬学部, 教授 (60176873)
松原 弘樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (00372748)
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キーワード | 二分子膜 / ベクシル / ミセル / 界面活性剤 / 表面張力 / 電気伝導度 / 状態図 / 偏光解析 |
研究概要 |
高密度の二分子膜積層構造が自発的に形成される条件の解明段階で高分子密度の二分子膜積層構造が自発的に形成されることを見出した実験系は、長鎖1本をもつ界面活性剤(1本鎖型とよぶ)と長鎖2本を持つ界面活性剤(2本鎖型とよぶ)の混合系である。1本鎖型と2本鎖型は、ともに陽イオン性である。陽イオン性であることが必須ではないが、1本鎖型と2本鎖型の混合系であること、及び1本鎖型と2本鎖型は同じ電荷をもつことが必須であると考えている。界面での積層構造形成条件を明確にするためには、まず界面と平衡にある溶液内での構造形成を明らかにする必要があるとの立場から、2本鎖型としてジドデシルジメチルアンモニウムハライド(以下DDAX、Xは塩化物あるいは臭化物イオン)、1本鎖型としてドデシルトリメチルアンモニウムハライド(以下DTAX)を用いた界面活性剤混合系(DTAB-DDABおよびDTAC-DDAB)の表面張力、電気伝導度、濁度測定を行った。これらの結果の解析により、組織体形成の状態図を作成した。 いずれの系も、単量体-小ミセル(2分子膜の断片状で会合数10程度)-ベシクル-通常ミセルが存在する状態図がえられた。DDAB純系では単量体-小ミセル-ベシクルが観察された。DTAX純系は通常ミセルを形成するのみであるが、注目すべきはDDABの僅か千分の一程度のDTAXしか存在しない系でも、2分子膜の断片状会合体やベシクルが形成され、さらにDDAB純系よりも少量のDDAB単量体濃度で形成され始めることである。これはこの程度のDTAX分子が膜内に存在することで平面多重膜構造が溶液内で安定に存在することを示すものであり、表面での積層構造形成にも有利であることがわかった。また対イオンXの違いが構造体の存在領域に大きく影響を与えることが明白となり、膜表面の表面電荷密度(対イオン結合度)の影響も大きいことが明らかとなった。 単純界面活性剤を用いた偏光解析装置の試運転もすでに始めている。
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