研究課題
基盤研究(B)
金属錯体は、中心金属と有機配位子の組み合わせから、多様な電子状態と多彩な幾何構造の創製が可能となり、触媒や分子認識素子としてのみならず、近年は分子集合体のビルディングブロックとして、幅広く利用されている。特に複核金属錯体では、複数の電子移動サイトと分子認識サイトを有し、単核錯体にはない特異な反応性を示すことから、金属酵素モデルを中心として多くの研究例がある。本研究では、こうした複核金属錯体の特徴を利用した新しい機能創生を目的とし、コバルト二核錯体を用いた新しい分子デバイスの構築を行った。具体的には二核錯体を基体とした(1)炭素-炭素結合形成触媒(2)DNA二重らせんの高効率開裂触媒(3)レドックス応答性分子フラスコ(4)レドックス応答性デンドリマー錯体の開発に成功した。(1)炭素-炭素結合形成触媒:コバルト-炭素結合は、光、電気及び熱などの外部刺激に応答して開裂し、有機ラジカル種を与える。本反応について二核錯体を用いて行うことにより、発生するラジカル種の選択的な二量化反応を見出した。(2)DNA二重らせんの高効率開裂触媒:水溶性の二核コバルト錯体の合成に成功しコバルト-炭素結合の開裂により生じたラジカル種による高効率なDNA切断反応に成功した。(3)レドックス応答性分子フラスコ:金属錯体の中心金属の価数変化に起因する幾何構造の変化を利用し、酸化還元に応答して分子認識機能をオン/オフすることが可能なダブルブリッジ型二核錯体の合成に成功した。(4)レドックス応答性デンドリマー錯体:軸配位子にデンドロンアミンを用いることにより、中心金属の価数変化に応じて、デンドリマーを形成する超分子錯体の創製に成功した。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (52件) 図書 (2件)
Acta Cryst.E E62
ページ: m1272-m1274
J. Inorg. Biochem 100
ページ: 1265-1271
Chem. Commun.
ページ: 3131-3133
Acta Cryst.C 61・11
ページ: o663-o665
Sci. Tech. Adv. Mater. 7・7
ページ: 655-661
Inorg. Chem. 45・26
ページ: 10530-10536
Tetrahedron Vol.62
ページ: 2016-2024
Acta Cryst.E Vol.E62
Inorg.Chem. Vol.45, No.11
ページ: 4448-4460
J.Inorg.Biochem. Vol.100
Chem.Commun.
Chem.Lett. Vol.35, No.10
ページ: 1178-1179
Acta Cryst.C Vol.61, Part 11
Sci.Tech.Adv.Mater. Vol.7, No.7
Inorg.Chem. Vol.45, No.26
Bulletin Chemical Society of Japan 78
ページ: 859-863
ページ: 1040-1046
Chem. Lett. 34・8
ページ: 1096-1097
Acta Cryst.E E60
ページ: o2063-o2064
Inorg. Chem. 44・25
ページ: 9134-9136
Bull. Chem. Soc. Jpn. 78・6
Bull. Chem. Soc. Jpn. 78・9
ページ: 1619-1623
J.Am.Chem.Soc. Vol.127
ページ: 56-57
Bull.Chem.Soc.Jpn. Vol.78
Acta Cryst.E Vol.E60
Chem.Lett. Vol.34
Bioscience, Biotechnology and Biochemistry Vol.69
ページ: 1453-1458
Inorg.Chem. Vol.44
ページ: 9391-9396
Cytotechnology, International Journal of Cell Culture and Biotechnology incorporating Methods in Cell Science Vol.47
ページ: 51-57
Chemistry Letters 33・7
ページ: 906-907
Tetrahedron Letters397 45・31
ページ: 5973-5975
J. Porphyrins Phthalocyanines 8・1-3
ページ: 397
ページ: 596
ページ: 50-51
J.Am.Chem.Soc. Vol.126, No.2
ページ: 436-437
Dalton Trans.
ページ: 878-882
Chem.Lett. Vol.33, No.7
Tetrahedron Lett. Vol.45, No.31
J.Porphyrins Phthalocyanines Vol.8
ページ: 255-264
ページ: 395
J Porphyrins Phthalocyanines Vol.8
ページ: 763
ページ: 775
ページ: 823
ページ: 1806-1807
ページ: o1470-o1471
Chem.Lett. Vol.33, No.11
ページ: 1512-1513
J.Am.Chem.Soc. Vol.126, No.49
ページ: 16007-16017