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2004 年度 実績報告書

放射光真空紫外円二色性による生体分子構造解析の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 16350088
研究種目

基盤研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

月向 邦彦  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10023467)

研究分担者 相田 美砂子  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90175159)
片柳 克夫  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20291479)
大前 英司  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30284152)
キーワード放射光 / 真空紫外円二色性 / 生体物質 / 構造解析
研究概要

広島大学放射光科学研究センターのBL-15を放射光源とした真空紫外円二色性(VUVCD)分散計を利用し,各種糖類とタンパク質(天然状態)のVUVCDスペクトルを160nmまで、変性状態のタンパク質を172nmまで測定した。
6つのグルコースのα,1-4グリコシド結合から成るマルトヘキソースとα-シクロデキストリンの測定から、CDはオリゴ糖の線形と環状構造の違いを敏感に反映することがわかった。また、構成するグルコースの数が異なるα,β,γ-シクロデキストリンの比較により、糖鎖の長さに対するCDの依存性が確認された。各種コンドロイチンの測定から、硫酸基やカルボキシル基の位置や配位がVUVCDスペクトルに大きく影響することがわかった。
31種類のタンパク質のVUVCDスペクトル測定から、真空紫外領域において各二次構造(α-helix、β-sheet、turn、unordered structure)に特徴的なピークが観測された。測定した31種類の基底タンパク質のVUVCDデータと二次構造データを、特異値分解法を用いたSELCON3プログラムに組み込むことにより二次構造解析を行った。その結果、測定波長領域の拡張や基底タンパク質の増加と最適な選択により予測精度が格段に向上した。これにより高精度な二次構造解析法が確立できた。Metmyoglobin(pH3.9)、thioredoxin(pH1.8)、staphylococcal nuclease(pH3.8)の酸・熱・低温変性状態のVUVCDスペクトルを用いた二次構造解析から、metmyoglobinで各変性状態の構造の違いが予測された。また、数十%のβ-sheetが各タンパク質の変性状態で形成または維持されていることが示唆された。以上の結果は、VUVCD分光法が、生体分子の構造解析に対して有効であることを示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Vacuum-Ultraviolet Circular Dichroism Spectrophotometer using Synchrotron Radiation2005

    • 著者名/発表者名
      Koichi Matsuo
    • 雑誌名

      J.Electron Spectros.Relat.Phenomena (印刷中)

  • [雑誌論文] Structure Analyses o Biomolecules using Synchrotron Radiation Circular Dichroism Spectrophotometer2005

    • 著者名/発表者名
      Kunihiko Gekko
    • 雑誌名

      J.Electron Spectros.Relat.Phenomena (印刷中)

  • [雑誌論文] 放射光真空紫外円二色性分散計による生体物質の構造解析2004

    • 著者名/発表者名
      月向邦彦
    • 雑誌名

      日本放射光学会誌 17

      ページ: 117-225

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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