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2004 年度 実績報告書

立体構造にもとづく基質結合サイトの再構築による酵素反応選択性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 16350094
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)

研究代表者

藤井 浩  大学共同利用機関法人, 自然科学研究機構(岡崎共通研究施設)・岡崎統合バイオサイエンスセンター, 助教授 (80228957)

キーワード人工酵素 / 反応選択性 / 機能変換 / ヘムオキシゲナーゼ / 酸素活性化 / ヘム
研究概要

ヘムオキシゲナーゼという酸素活性化酵素を題材に反応選択性の変換を行った。酵素の基質認識部位を酵素立体構造に基づき改変し、基質を本来とは別の配向で取り込むように設計を行った。本酵素はもともと基質のα位と呼ばれる部位を酸化する反応を行う。基質認識部位を改変し、活性点に基質のδ位がくるような酵素のミューテーションを設計し、ミュータントの作成を行った。作成したミュータントは、ねらいどおりδ異性体をほぼ100%生成した。酵素の反応選択性をねらい通りに変換した例はなく、本研究の成果は重要であると考える。実際に基質が酵素の中での配向を変えたかを研究した。基質の配向を明らかにするため、酵素-基質複合体の^1H-NMRの測定を行った。基質に由來するピークをNOESYにより帰属することができた。その結果、基質は木来の配向とは大きく変化し、90度回転した配向で酵素と結合していることを示唆した。90度回転した配向は、基質のδ位が活性点近傍に位置する配向であり、反応選択性の結果を裏付ける結果であった。さらに、酵素-基質複合体のX線構造解析を行った。酵素の結晶化条件の検索を行った。150種類以上の結晶化条件を試みた結果、X線構造解析に適する結晶を与える条件を見いだすことができた。得られた結晶を使い、構造解析を行った。解析の結果酵素-基質複合体の立体構造を明らかにすることができた。その結果、基質は本来の配向から90度回転した状態で酵素と結合していること、基質認識のために導入したミューテーションが基質の取り込みに機能していること、δ位が活性点近傍に位置することが明らかになった。以上の結果は、当初設計を行った指針とまったく一致する結果であった。これにより、本手法による酵素反応選択性の変換が妥当な手法であることを証明することができた。さらに本年度は、本手法に基づきβ選択性への変換の分子設計も行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Essential Amino Acid Residues Controlling the Unique Regioselectivity of Heme Oxygenase in Psudomonas aeruginosa2004

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Fujii
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 126

      ページ: 4466-4467

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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