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2006 年度 実績報告書

立体構造にもとづく基質結合サイトの再構築による酵素反応選択性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 16350094
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)

研究代表者

藤井 浩  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (80228957)

キーワード人工酵素 / 反応選択性 / 機能変換 / ヘムオキシゲナーゼ / 酸素活性化 / ヘム
研究概要

酵素反応は高い立体および位置選択性を示す。これは、酵素が作る反応場の構造に由来している。酵素の反応場には基質結合サイトと活性サイトがあり、基質結合サイトは基質のある特定部位が活性サイト近傍になるように基質を固定している。そのため活性サイトから攻撃をうける部位は限定され、高い反応選択性を示すのである。我々はこの考えを逆手にとり、基質の中で我々が反応させたい部位が活性サイト近傍に位置するように酵素内で新たに基質結合サイトを再構築することができれば、ひとつの酵素からさまざまな物質を立体選択的に合成できると考えた。そこで本研究ではこの考えを検証するため、ヘムオキシゲナーゼを用いて本手法に基づいた反応選択性の人為的制御を試みた。本年度は、反応選択性を持たない緑膿菌のヘムオキシゲナーゼに選択性を持たせることを試みた。これまでの研究を基に、反応させたい部位が酵素の活性部位近傍に位置するように基質(ヘム)の配向を制御することを行つた。酵素の立体構造を基に、ヘムのα位、β位、δ位が活性部位に位置すようなミューテーションを設計した。α位を活性部位に置くためには、ヘムと結合するアミノ酸残基を大きく変える必要があった。ヘムを90度時計回りに回転した位置でヘムと結合できるようなアミノ酸残基を酵素に新たに導入した。β位とδ位を活性部位に置くために、ヘムの表裏の配向を制御した。活性部位にあるアミン酸残基の立体的な大きさを制御するようなミューテーションを導入した。これらのミュータントは、種々の分光法からヘムがそれぞれ野生型から配向を大きく変えていることが示された。酵素反応選択性を検討した結果、それぞれ目的通りα、β、δ選択性を示す酵素に変換されていた。これらの結果は、本課題で考えた概念が妥当であること実験的に証明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ^<13>C and ^<13>N NMR Studies of Iron-Bound Cyanides of Heme proteins and related model complexes : Sensitive Probe for Detecting Hydrogen Bonding Interactions at the Proximal and Distal Sides2006

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Fujii
    • 雑誌名

      Inorg.Chem. 45

      ページ: 6816-6827

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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