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2004 年度 実績報告書

光・電子デバイスへの応用を指向した高機能ケイ素ポリマー材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16350102
研究種目

基盤研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

九内 淳堯  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029190)

研究分担者 播磨 裕  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20156524)
大下 浄治  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90201376)
キーワードケイ素ポリマー / 高耐熱材料 / 発光材料 / 導電性薄膜 / 感光性ポリマー / 分子内励起移動 / パターニング材料
研究概要

1.高耐熱性材料としては,ケイ素原子上にペンダント基として3,5-ジエチニルフェニル基を1ヶまたは2ヶ導入したポリ(シリレン-p-フェニレン)を合成した。2ヶのペンダント基を導入したポリマーは特に耐熱性に優れており,5%重量減温度が791℃,1000℃における重量減が6%と非常に良い特性を示した。その理由は,熱重量分析で200-210℃の領域に発熱ピークが見られることから,この温度域で末端エチニル基の架橋が容易に進むためと推定される。事実,本ポリマーを窒素雰囲気下210℃で3分間加熱すると不溶化し,IRスペクトルではエチニル基のC-H伸縮振動強度の減少が見られた。また,本ポリマーを石英基盤上にスピンコートした薄膜を真空下1200℃で熱処理することにより,膜厚74nm,伝導度が9 S/cmの導電性薄膜を得ることに成功した。
2.発光機能を持つ材料としては,異なるπ電子系をケイ素基で交互に連結した,[-π1-Hex_2Si-π2-Hex_2Si-]_nなる構造のポリマーを合成した。合成にはクロロフルオロシランのSi-Cl基とSi-F基の大幅に異なる反応性を利用して,π1としてジエチニルアントラセン,ジエチニルピレン,またはジエチニルカルバゾールπ系,π2としてビチオフェンまたはターチオフェンπ系を持つポリマーを得た。いずれのポリマーも,どちらのπ系を励起しても一方のπ系からの発光しか観測されず,この構造由来の高効率な分子内励起移動が起こることを見いだした。
3.パターニング機能を持つ材料としては,ケイ素上にペンダント基としてアントリルエチニル,ピレニルエチニル,またはテルチエニル基を比率を変えて導入した一連のポリ(シリレン-p-フェニレン)を合成した。いずれのポリマーも溶液または薄膜状態でPL発光を示し,また感光性であったので,発光性パターニング材料としての展開を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Synthesis of Poly{[bis(diethynylphenyl)silylene]phenylene}s with Highly Heat-Resistant Properties and an Application to Conducting Materials2004

    • 著者名/発表者名
      J.Ohshita
    • 雑誌名

      J.Organomet.Chem. 689・9

      ページ: 1540-1545

  • [雑誌論文] Selective Substitution of Hex_2SiFCl for the Preparation of Polymers with Two Different Alternate π-Electron Systems Linked by Hex_2Si Units2004

    • 著者名/発表者名
      J.Ohshita
    • 雑誌名

      Z.Naturforsch., B : Chem.Sci. 59b

      ページ: 1332-1336

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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