研究課題/領域番号 |
16350102
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
九内 淳尭 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (90029190)
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研究分担者 |
播磨 裕 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (20156524)
大下 浄治 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (90201376)
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キーワード | ケイ素ポリマー / 高耐熱材料 / 発光材料 / 導電体薄膜 / 感光性ポリマー / 有機FET材料 / パターニング材料 |
研究概要 |
昨年度までの研究を継続して、光・電子デバイスへの応用を指向した高機能のσ-π共役型ケイ素ポリマー材料の開発を検討した。 この目的のために、1)高耐熱性でパターニング可能なケイ素ポリマーの開発、2)良好なキャリア輸送性を持ちパターニング可能なケイ素ポリマーの開発、3)発光機能を持つケイ素ポリマーの開発という3つの立場から、新規σ-π共役ケイ素ポリマーの合成法を開拓するとともに光・電子デバイスへの応用をはかり、その材料特性を評価した。具体的な研究実績を以下に示す。 1.パターニング可能なセラミックス前駆体の開発 高い耐熱性を有するポリマーとして、新規なシリレンフェニレン系ポリマーの合成を行った。また、これらの固体フィルムを不活性雰囲気下で高温処理すると、100S/cm程度の導電性を有するセラミックス薄膜が得られること、さらに熱処理前に光照射すると被照射部の部分が絶縁性になるので、導電性薄膜のパターンニングが可能であることを見出した。 2.キャリア輸送性を持ちパターニング可能なケイ素ポリマーの開発 各種のシリレンオリゴチエニレン系オリゴマーを合成し、その蒸着薄膜のp-型半導体特性を調査したところ、トリス(キンケチオフェニル)誘導体で、約0.1cm^2/Vsという良好な移動度を観測することが出来た。この結果を理解するために、分子内オリゴチオフェン間のエネルギー移動機構を光化学的な手法で検討した。また、光照射による半導体特性のパターンニングにも成功し、さらにこの結果を基に設計したポリマーの合成も行った。 3.その他 イオノクロミック特性を有する発光性ポリシリレンフェニレン類、および有機EL素子のキャリア輸送層や色素増感太陽電池材料して利用できる新しいタイプのσ-π共役型ポリマーの合成に成功した。
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