研究課題
基盤研究(B)
波長200nm近傍の新規高輝度深紫外線発光素子材料開発は、情報記録分野、殺菌等による環境保全等の需要に向けて重要な課題である。本研究課題では、近年本研究代表者らにより見出された六方晶窒化ホウ素(hBN)単結晶の深紫外線発光素子としての機能を引き出すべく、高純度結晶の創製と、その光物1性を明らかにすることを目的とした。高純度hBN単結晶はアルカリ土類金属のホウ窒化物を溶媒とした、高圧下温度差法により2〜5万気圧,1400〜1700℃の圧力・温度範囲で、40〜120時間の育成時間の元で合成した。(1)hBN単結晶の高圧合成条件を吟味し、バンド端の発光挙動を呈する高純度結晶の合成条件を明らかにするとともに、特に結晶の紫外線(UV)発光特性に及ぼす酸素、炭素不純物の影響を明らかにした。(2)得られた高純度hBN単結晶のUV発光特性、光吸収、自由励起子の発光寿命等の評価を通じて、hBNがバンドギャップ5.9eVの直接遷移型半導体特性を有することを見出した。更にhBN単結晶中の積層欠陥が及ぼすバンド端発光特性への影響(自由励起子と積層欠陥に束縛された束縛励起子の発光寿命の差異、熱処理効果など)を明らかにした。(3)高純度hBN単結晶を舅開し、平行平板状とした上で電子線を照射し、励起電流密度と自由励起子発光強度の相関を調べた結果、一定のしきい値を超えたところで発光強度の増大とスペクトル幅の減少などレーザー発振に特有の現象が見出された。電子線励起により、室温において固体発光素子としては最短波長の215nm近傍におけるレーザー発振が見出されたことになる。(4)これまで高圧法によってのみ合成が可能であった高純度hBN結晶を常圧下で育成し得る溶媒を新たに見出した。高圧下で種々の溶媒を吟味・探索したところ、化学的に安定な金属系溶媒によりバンド端発光挙動(波長215nmの自由励起子発光)を呈する高純度hBN結晶の合成が成され、さらに常圧下においても同様の溶媒効果が確認された。これは高純度hBN結晶の常圧下液相成長法による大量合成、大面積化に向けた大きな一歩といえる。
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