研究課題
基盤研究(B)
オリビン型Li_x(Mn_yFe_<1-y>)PO_4において、リチウムイオン電池正極としての機能させる際のMn固溶に伴う著しい失活が起こることが知られている一方で、y<0.05程度の少量置換では逆に電極活性が向上するという報告がある。X線回折、磁化率測定、メスバウア分光によって同定を行った後、高エネルギー加速器研究機構中性子実験施設VEGA、HITにおける回折および全散乱実験を行った。その結果、充放電特性と関連する短距離から長距離にわたる広範かつ詳細な構造を明らかにすると同時に,これを鋭敏に反映する低温での磁気特性について系統的に整理することができた。充放電反応を駆動するLiの挿入脱離、固体内拡散の挙動を反映していることが期待されるLiの熱振動に関する情報に注目し、飛行時間(TOF : Time Of Flight)型粉末中性子回折を利用し詳細な構造解析を行った。粉末中性子回折のRietveld解析により精密化されたLiの異方性原子変位パラメータから描画される熱振動楕円体は、長軸方向が010方向の1次元拡散経路を示唆した。LiFePO_4-FePO_4系において、両端組成近傍に固溶領域が存在することを粉末X線回折、粉末中性子回折、高感度熱流測定、平衡電位等を活用して多角的に解析を進めてきた。この室温で存在する固溶領域に対する温度の影響を高温in situX線回折を用いて調べた。また、粒径が明確に異なる二種類の充放電挙動、熱流束測定から、粒子径の影響を調べた。その結果、粒子径の現象に伴う溶解度ギャップの縮小傾向が明確に観測された。この現象について、分離整合界面エネルギーの見地から熱力学的モデルを構築した。
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