研究課題/領域番号 |
16350110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鯉沼 秀臣 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (70011187)
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研究分担者 |
松本 祐司 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 講師 (60302981)
宮澤 信太郎 信光社株式会社, 理事
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キーワード | レーザー分子線エピタキシー / コンビナトリアル薄膜法 / 3元組成傾斜膜法 / フラックス法 / 単結晶薄膜 |
研究概要 |
【研究目標】 我々は、フラックスエピタキシーという新しい方法を提案し、本手法を用いた高機能性単結晶基板製造プロセスを確立することを目的とする。単結晶でかつ原子レベルで平坦な表面を有するGaNや酸化亜鉛薄膜成長用基板や光学デバイス用、高温超伝導薄膜用SrTiO3基板を作成し、機能デバイス用基板としての工業化を追求する。 【研究成果1】Bi-Ti-Cu-O系3元組成傾斜薄膜の作製と構造・物性評価 パルスレーザー堆積法を用いて、Bi2O3、TiO2とCuOを3成分の頂点とする3元組成傾斜薄膜を室温で作製し、その後の固相反応プロセスにより結晶化させた。組成を蛍光x線マッピング装置(H16年度購入備品)で組成を調べた上で、各組成領域での化合物層をコンビx線にて同定した。これまでのBi2O3-TiO22元相図でBi4Ti3012(BIT)が生成する組成領域よりも、CuOを添加した領域でよりよくBIT結晶が生成していることを確認した。現在、この3元相図薄膜の誘電率測定を行っているところである。 【研究成果2】MgO(001)単結晶基板上のBi-Cu-Oフラックスのレーザー顕微鏡その場観察 MgO(001)基板上にBi-Cu-Oフラックスを堆積し、1 O Torrの酸素雰囲気、温度800〜1000℃の範囲で、レーザー顕微鏡によるフラックスのその場観察を行った。800℃を越えたあたりから、フラックスの塊どうしが、結合したり分離したりするあたかも液状のような挙動を観測することに成功した。 【研究成果3】フラックス法によるMgO(001)単結晶基板の原子レベル平坦化 MgO(001)基板は、Caなどの不純物を多く含むため、単なる加熱処理だけでは、再現良く超平坦化することが困難であった。Bi-Cu-OフラックスをMgO基板上に堆積し、その後の熱処理を最適化すると、再現性良く、原子レベルで平坦なMgO(001)基板を得ることができるようになった。
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