研究課題/領域番号 |
16350120
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴山 充弘 東京大学, 物性研究所, 教授 (00175390)
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研究分担者 |
原口 和敏 (財)川村理化学研究所, 主席研究員 (10373391)
長尾 道弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (90301150)
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キーワード | ゲル / 小角中性子散乱 / 動的光散乱 / ナノコンポジットゲル / 圧力誘起相転移 / 疎水性相互作用 / グラジエント共重合体 / 環動ゲル |
研究概要 |
環動ゲル、ナノコンポジットゲル(NCゲル)、両親媒性ブロック共重合体水溶液など、異なる構造、ゲル化能をもつ系について、そのゲル構造・ゲル形成過程を小角中性子散乱(SANS)、および動的光散乱(DLS)により研究し、以下に述べる学問的に重要な多くの知見を得た。 (1)環動ゲル:延伸下での環動ゲルのSANS実験により、環動ゲルでは不均一性が小さく延伸に伴い、ノーマルバタフライパターンが発現すること、架橋剤濃度を上昇させると、ノーマルバタフライパターンからアブノーマルパターンへ転移し、通常のゲルと類似の挙動を示すことなどが分かった。 (2)NCゲル:無機板状粘土化合物クレイと温度敏感型高分子であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPA)からなるナノコンポジットゲル(NCゲル)を調製し、その力学特性、ゲル構造の決定を行った。特に、SANS測定用にコントラストマッチした試料を用い、延伸下でのNCゲルのSANS測定および構造解析を行った。その結果、板状クレイ微粒子が面架橋剤として働くこと、架橋面間分子量が巨大であることにより高延伸が可能となることなどの知見が得られた。 (3)グラジエント共重合体:組成に傾斜構造をもつ共重合体の水溶液のミクロ相分離構造について、SANS解析を行い、ブロック共重合体にはみられないリールイン効果(相分離に伴うコロナ鎖の巻き取り効果)を発見した。 (4)両親媒性ブロック共重合体水溶液の圧力・温度誘起相分離構造を詳細に研究し、高圧では疎水性相互作用の選択性が低下することを発見した。
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