研究課題
基盤研究(B)
1.高分子ブレンド中におけるジルコニアの分散制御ジルコニアは球状で平均直径は0.27μmのものを用いた。ポリスチレン(PS)/ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)ブレンド溶融物中においては、低いガラス転移温度Tgをもち比較的柔軟なPBMA鎖の吸着により、ジルコニアはPBMA相に偏在する。PBMAの体積分率を変えて相分離構造を海・共連続・島とすることによって、その相の中でジルコニア粒子を局在させることができる。一方、PS/ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ブレンド溶融物中のように、同程度のTgをもち、屈曲性のやや劣る高分子同士のブレンドの場合、ジルコニアはいずれにもなじまず、両相にわたって分岐やネットワーク構造を形成する。2.高分子ブレンド中におけるナノカーボンファイバーの分散制御気相成長カーボンファイバー(VGCF、直径150nm、アスペクト比67-130)の分散状態を検討した。ナノカーボンは、高分子との界面エネルギーよりも高分子鎖の吸着によるエントロピー損の影響が大きい。Tgが低く屈曲性の高い高分子は、エントロピー損が小さく吸着しやすい。共連続構造をもつポリプロピレン(PP)/高密度ポリエチレン(HDPE)ブレンド中でVGCFはHDPE相に完全に偏在する。このときのパーコレーションしきい値はVGCF 0.95vlo%で、フラクタル次元Dは1.7となることを、動的粘弾性および導電性の測定から見出した。ゴム中のカーボンブラックのしきい値におけるD=2.2と比較してVGCFのDが小さい原因は、VGCFの形状が繊維状であること、界面に沿うVGCFの配向などが考えられる。同一の熱・流動履歴を経た試料で比較して、HDPEやPP単体に比べPP/HDPEブレンド中ではVGCFのパーコレーションしきい値を約1/2.5にできる。
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