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2004 年度 実績報告書

近接場光学・ケルビンフォース複合プローブ顕微鏡の開発と機能性有機薄膜の光物性評価

研究課題

研究課題/領域番号 16360022
研究種目

基盤研究(B)

研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

尾笹 一成  独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 先任研究員 (10231234)

研究分担者 伊藤 英輔  独立行政法人理化学研究所, 局所時空間機能研究チーム, 研究員 (40333322)
礒島 隆史  独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 先任研究員 (40271522)
キーワードケルビンプローブ / ナノプローブ / 有機薄膜 / 表面電位 / 近接場光
研究概要

本研究の目的は、有機薄膜材料に見られる表面電位やその光照射による変化をナノスケールで調べる手法として、近接場光を照射可能なケルビンプローブ走査顕微鏡を開発し、実際に表面電位の変化を計測することにある。さらにその知見を利用して有機薄膜の物性の制御ならびに向上も目指している。本年度は、トンネル顕微鏡による変位電流の計測実験、近接場光を照射可能なナノプローブの加工、暗環境下での真空蒸着による巨大表面電位を有するAlq3膜の形成、通常のケルビンフォース顕微鏡による巨大表面電位の計測および光照射による表面電位の変化の計測、などを行った。またナノプローブを通して光照射を行うための分光光源系を構築し、光照射ナノプローブによるケルビンプローブ観察に向けた実験装置の整備を進めた。
トンネル顕微鏡による変位電流の計測実験では金の蒸着膜を対象とし、金属ナノプローブを表面近傍で振動させることによってトンネル電流と位相が90度ずれた電流成分を測定し、その像を得た。ただしその像は主として表面形状によるプローブ変位に起因するものと判断された。ナノプローブの加工では集束イオンビームを用いることで1ミクロン程度の開口を有する光ファイバープローブの作製に成功した。巨大表面電位をもつ薄膜の形成においては、材料として用いたAlq3の純度の影響を評価する必要があるものの、暗環境下の真空蒸着により16V程度の表面電位を有する膜の堆積に成功した。通常のケルビンフォース顕微鏡によるAlq3膜の表面電位の計測では、当初16V程度あった表面電位が光照射によって1V程度まで減少することが確認できた。さらにこれらの表面電位はいずれも10ミクロン以上の範囲にわたって均一とみなせる面内分布を示すことがわかった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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