研究課題/領域番号 |
16360036
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
興 雄司 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (10243908)
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研究分担者 |
渡邉 博文 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (30363386)
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キーワード | 色素レーザー / ディスポーザブル / 有機色素 / プラスチック / 導波路 / 集積型 / 多波長 / 分布帰還 |
研究概要 |
オンサイトレーザーを制御する機構である熱光学(TO)効果の導入について本年度は研究をおこなった。TO効果はマトリクスであるPMMAを加熱することによる屈折率変動を利用した各種の導波路制御である。 1)アルミ電極をPMMAプラスチック基板上に蒸着・パターニングし、その上にバッファ層およびレーザー導波路を構築し、さらにDFBレーザーを紫外緩衝露光で作製するプロセスを開発し、試作をおこなった。 2)TO効果を利用したレーザー制御の第一弾として、DFBレーザー導波路の瞬間加熱によりDFB部のブラッグ波長をシフトしてレーザーの発振波長を切り替える実験を行った。アルミ電極に電流をパルス印加するCW印加の場合にくらべて数段大きな1%移譲の屈折率変化を得ることができ、600nm動作のDFBレーザー波長を7nm近く瞬間的に短くできることを示した。また、熱緩和時間も導波路化によってmsレベルの速度を達成し、100Hzで波長4nmの2波長交互発振などを実現した。 3)TO効果による波長変調実験により、最適な印加パルス条件や励起光との最適遅延時間などを明らかにし、同時に導波路内での温度の時間変化を推定した。その結果、内部温度は瞬間的にガラス転移温度を超えているにもかかわらずDFB構造が維持され、ガラス転移領域では温度に対する屈折率変化量が大きいことが確認できた。 4)TO効果を利用して横方向マルチモード導波路でのY次導波スイッチの開発をおこなった。BPM法による基礎シミュレーションによる設計指標の検討を行った後、実際にアルミ電極とバッファ層、導波層の積層とUVリソグラフィーによってTO光Y字スイッチを構築し、動作確認実験を行った。その結果、消光比など不十分な点は有るものの、励起光の導波方向の切り替えが可能であることを確認した。このスイッチについては今後最適化を行っていく。 5)多波長化の一端としてCN-MBEを利用したレーザーの開発を行い、可変波長域430-500nmを確認すると同時に寿命58000ショットを得た。
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