研究課題
基盤研究(B)
ゲルマニウム半導体素子は、優れたエネルギー分解能を有し、大体積で均一な素子の製作が可能である等の優れた特性を持つが、液体窒素温度に冷却して使用する必要がある。これは室温での禁止帯幅エネルギーが0.67eVと小さく、熱励起により伝導帯に電子正孔対がつくられる影響が大きい為である。この熱励起による暗電流は、結晶中に一様に存在し、素子体積に比例する。一方、入射放射線による真の電子正孔対は、体積には依存せずに、入射放射線の持つエネルギーに比例し、かつ数100ミクロン程度の微小領域で発生する。この事実は、数100ミクロンサイズのゲルマニウム検出器では、暗電流は著しく軽減され、近室温で動作する可能性を示唆する。この趣旨に基づき、代表者のグループは、1mm角の単素子微小ゲルマニウム結晶では、熱雑音電流が室温(22℃)で10μA以下に抑えられる事を実証してきた。平成17年度は、厚み300μmの高純度Geウエハーを使用してマイクロピクセル電極付き単結晶板を製作し、別途開発されたピクセル検出器用の読み出し回路の形状に併せて、単位ピクセルサイズが172μm×172μm、ピクセル配列が60×97の2次元配列のマイクロピクセル・ゲルマニウム検出器を製作した。読み出し回路系は、同形状のシリコンセンサーを用いて良好な動作が実証されており、今後引き続きゲルマニウムセンサーを用いての試験を継続して行う。平成17年度の成果は、電気電子学会(IEEE)により2005年10月23日〜29日にプエルトリコで開催されたNuclear Science & Symposium & Medical Imaging Conferenceに於いて、表題「Pixilation Effect on Germanium Detectors and Their Temperature Dependencies」として研究分担者の鈴木が口頭発表を行った。
すべて 2006 2004
すべて 雑誌論文 (7件)
Journal of Synchrotron Radiation 13
ページ: 120-130
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A : Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated A518
ページ: 436-439
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A : Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated A525
ページ: 85-89
Synchrotron Radiation News Vol.17,No.2
ページ: 23-30
Nucl.Instr.and Meth. A518
Nucl.Instr.and Meth. A525
Synchrotron Radiation News Vol.17, No.2