研究課題/領域番号 |
16360045
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
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研究分担者 |
肖 鋒 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (50280912)
小川 隆申 成蹊大学, 工学部, 助教授 (50338571)
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キーワード | 流体-構造連成問題 / 数値解析クラスライブラリ / 並列計算 / Open MP / コロケート格子配置 / 固体-液体-気体混相流 / Immersed Boundary method / ボリュームレンダリング |
研究概要 |
流体-構造連成シミュレーションの機能単位のクラスライブラリをさらに整備し、これらを統合していくつかのアプリケーションを構築した。また、直交格子で複雑形状の境界条件を計算できるImmersed Boundary Methodのクラスを新たに導入し、固体-液体-気体の混相流計算へ適用した。平成18年度は以下のクラスにおいて成果が得られた。 重合格子計算クラス:構造物の変形が少なく、移動が激しいような流体-構造連成問題に特化したクラスであり、高レイノルズ数流れに適用可能とした。2つ以上の複数計算格子を用いて各々単独に計算するが、重合領域での境界点での補間精度が問題になり、値と微係数を用いた3次精度の補間を行うことにより系全体が高精度に計算できることが明らかになった。また、補間するタイミング、移動格子上での慣性力を正確に考慮し、非物理的な振動等を抑制することができた。 Immersed Boundary Methodクラス:直交格子をベースとし、格子に対して斜め方向の境界条件を満足させるために方程式中に外力項を導入する。境界条件を満足する計算精度としてはカットセルほど高くないが、適用範囲が広い特徴がある。多数個の粒子を含む自由界面の非圧縮性流体計算にImmersed Boundary Methodを適用し、妥当な計算結果を得ることができた。 並列計算クラス:平成18年4月に東工大に導入されたTSUBAMEスーパーコンピュータを用いて非圧縮性流体計算の並列化効率を検証した。問題サイズが大きいので100CPU以下では計算できなが、1000CPUまでほぼ直線的に並列化性能が出ていることが明らかになった。また、MPIライブラリを用いた領域分割法以外に、今後重要となると思える共有メモリ内でのOpenMP並列の検証も行った。 ビジュアリゼーション・クラス:ボリュームレンダリング機能を追加し、台風のメソスケール・シミュレーションの結果をフォトリアリスティックに可視化した。地形を考慮した陸・海のテクスチャーを背景とし、3次元計算で得られる雲のボリューム感を表現することができた。この結果は東海地区のNHKの番組で紹介された。
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