研究課題/領域番号 |
16360048
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂 真澄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20158918)
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研究分担者 |
三原 毅 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20174112)
巨 陽 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60312609)
燈明 泰成 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50374955)
林 高弘 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30324479)
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キーワード | 原子力エネルギー / 非破壊検査 / き裂閉口 / 枝分かれき裂 / 溶接部 |
研究概要 |
平成17年度は以下の5項目について取組み、それぞれ以下のような研究実績を得た。 1.超音波手探傷への最適アベレージング機能の具備 前年度に見出した自動探傷時の波形収録条件を踏まえて、超音波探触子の手動操作に合わせた受信波形の最適アベレージング機能について検討した。 2.溶接部の応力腐食割れの超音波探傷 応力腐食割れを有する溶接試験体の表面をドライアイスにより局所的に冷却しながら、項目1の知見を踏まえて応力腐食割れからの超音波応答をモニタリングした。試験体内部に発生した熱応力により応力腐食割れの端部からの超音波応答が向上することを示した。 3.非線形超音波とき裂開口量制御との融合によるき裂情報の分離抽出 超音波の入射波振幅以下の極微細隙間を持つ欠陥により起こる2次高調波振幅を用いて、結合力の弱い不完全接合部や繊維強化複合材料内の初期段階の損傷、スポット溶接・プロジェクション溶接部における微細欠陥、応力腐食割れなどを画像化することに成功した。またき裂閉口圧の影響とき裂深さの影響とを分離するために、応力腐食割れ試験体に曲げ応力を負荷した状態でき裂面からの超音波応答を取得した。 4.裏面き裂の高感度電位差法定量評価 前年度に試作した直流電位差法センサに四端子の繰返し接触機構を付与して得られた複数回の電位差を平均化することで、従来法を飛躍的に上回る高精度な表面電位差計測を実現した。同センサにより従来困難であった厚肉配管の裏面欠陥を検出すると共に、得られた電位差と有限要素法解析結果との比較により欠陥の定量評価が可能であることを示した。 5.複合化による評価の高信頼化 超音波探傷逆問題解析、非線形超音波による探傷ならびに高感度直流電位差法のき裂評価能力を種々の試験体を使用して比較し、複数の技術の併用が高信頼化の鍵であることを示した。
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