研究分担者 |
江田 弘 茨城大学, 工学部, 教授 (60007995)
清水 淳 茨城大学, 工学部, 講師 (40292479)
仇 中軍 茨城大学, 理工学研究科・SVBL, 非常勤研究員
木村 俊一郎 (株)東京ダイヤモンド工具製作所, 技術部・研究員
神谷 純生 トヨタ自動車(株), 第2機能材料部, 担当部長(研究職)
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研究概要 |
形状精度を確保するためφ300mm以降の大口径Siウエハについて遊離砥粒方式に代って,半導体業界は固定砥粒方式による加工技術の確立を目指してきた. 研究代表者らが機械加工に化学作用を積極的に取り入れた複合式研削Chemo-Mcchanical-Grinding(CMG)用砥石及び固定砥粒による無欠陥表面創成プロセスを世界に先駆けて提案・開発してきた.化学反応により物質表層の障壁エネルギを低くすることにより軽微の力で原子(格子)の配列を乱すことなく材料を加工することができた. 本年度では,CMG加工プロセスの確立と加工能率の改善を重点において,Siと化学反応性を持つCMG砥石の開発および加工機械の改造を行った.得られた結果を次のように要約できる. 1.固定砥粒のみで,Si単結晶の格子配列が確認できるほど無欠陥表面創成に成功した.その結晶化度は既存のCMP(ポリッシング)で得られる最高品位よりも優れていることを複数の測定方法で確認した. 2.8"のSiウエハについて1枚あたりの加工時間を従来の36分から15分以内に短縮できるように加工圧力,回転数などの加工パラメータの最適化を行った. 3.上記の加工時間をさらに5分以内に短縮できる新しいCMG砥石の開発に取り組んでいる. 4.加工メカニズムを解明するため,3次元分子動力学シミュレーションの手法を用いて,多体(Tersoff)ポテンシャルモデルを構築した.またそれに対応してAFMの感知レバーを使った引っかき試験を実施した.その結果Dia-Siと異なり,CeO_2-Siの場合には引っかき表面の体積が増加する現象が観測された. 5.極薄ウエハのハンドリング技術として開発した2種類のセラミックス製真空チャックがすでに完成し,現在稼働中である.極薄Siウエハを把持,移動できるハンドリングツールについては,すでに設計が終了し製作に入っている.
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