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2006 年度 実績報告書

光ファイバからの回折球面波を絶対計測基準とした非球面形状のサブナノ計測

研究課題

研究課題/領域番号 16360067
研究機関大阪大学

研究代表者

片岡 俊彦  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (50029328)

研究分担者 中野 元博  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40164256)
井上 晴行  大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (30304009)
押鐘 寧  大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (40263206)
キーワード点回折干渉計測 / 位相シフト干渉計測 / シングルモード光ファイバ / 絶対形状計測 / 非球面観測 / fiber optic plate / 計測誤差 / 回折球面波
研究概要

本年度は,これまで懸案となっていた,位相シフト干渉計測における大きな誤差要因である不要な干渉縞の発生を防ぐ対策を中心に行なった.すなわち,被計測ミラーから戻ってくる球面波と参照球面波とで生成される干渉縞を,FOP (Fiber Optic Plate)上に発生させた.FOPは,光ファイバをバンドルして整形されたイメージ伝送板であり,発生させた干渉縞を裏面に転送する.FOP裏面の干渉縞は,干渉性が非常に落ちるので,カメラレンズ+CCDカメラにより撮影する際に,各部の端面反射などにより発生していた不要な干渉縞群が観測されなくなった.また,CCDカメラを電子シャッタ式に交換したことや,ピエゾステージの移動方法の改良により,PS/PDI装置を構成するコンポーネントから振動発生源をほぼ完全に除去することができた.この結果,φ200mm,曲率半径1500mmの凹面鏡の連続計測における再現性は0.38nm rmsに達した.
下線部の結果を受けて,計測に用いている2つのファイバ光源同士の干渉縞を位相シフト計測することで,PS/PDI装置の現状での計測精度評価を行なった.この計測結果から,(1)FOPに起因した特有のパターン誤差,(2)建物の定常的な揺れに起因する誤差を除去した結果,装置としての計測精度は,ミラー計測の場合0.35nm rmsと見積もられた.これは,有限な計測時間において侵入してくると思われる,建物振動の突発的な成分の影響が消えないためと考えている.
本装置は,非球面度の高い面の計測に用いる際には,その計測結果が表面形状を直接には表わさない.そこで,計測結果から被計測面の形状を精度良く再現する手法として,Helmholz-Kirchhoff積分に基づく,位相解析プログラムを開発した.通常のPS/PDI計測で得られる初期位相分布データに加えて,干渉縞を発生させている被計測面からの診断光の強度分布をも計測し,同プログラムで解析することで,非球面度の高い被計測面の形状も計測(再現)できる手法を開発できた.今後,実用面(放物面など)を使って同手法の有効性を確認してゆく.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] ファイバ型PS-PDI装置(Phase-Shifting Point Diffraction Interferometer)の開発-光ファイバからの回折球面波同士の干渉計測による精度の検証-2007

    • 著者名/発表者名
      松浦ほか
    • 雑誌名

      2007年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集

      ページ: G25

  • [雑誌論文] Absolute surface profiling of large diameter mirror by point diffraction interferometer2006

    • 著者名/発表者名
      T.Matsuura et al.
    • 雑誌名

      Extended abstracts of International 21st Century COE Symposium on Atomistic Fabrication Technology

      ページ: 121-122

  • [雑誌論文] FOW(Fiber Optic Window)を用いた絶対形状計測用ファイバ型PS-PDI(Phase-Shifting Point Diffraction Interferometer)装置の開発2006

    • 著者名/発表者名
      中村ほか
    • 雑誌名

      精密工学会2006年度関西地方定期学術講演会 講演論文集

      ページ: B03

  • [雑誌論文] FOW(Fiber Optic Window)投影面を用いた大口径ミラー絶対形状計測用ファイバ型PS-PDI(Phase-Shifting Point Diffraction Interferometer)装置の開発2006

    • 著者名/発表者名
      岡垣ほか
    • 雑誌名

      2006年度精密工学会秋季大会学術講演会 講演論文集

      ページ: I61

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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