研究課題/領域番号 |
16360070
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安武 潔 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80166503)
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研究分担者 |
渡部 平司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90379115)
志村 考功 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90252600)
大参 宏昌 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (00335382)
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キーワード | 多結晶Si薄膜 / 大粒径 / ガラス基板 / Ge微結晶 / 結晶核 / 核形成 / 自己組織化 / 固相結晶化 |
研究概要 |
液晶ディスプレイ用薄膜トランジスタ(TFT)や太陽電池などの大面積電子デバイスの特性向上を目指して、多結晶Si(poly-Si)を用いる試みがなされている。これまで、poly-Si薄膜の形成方法として、非晶質Si(a-Si)薄膜のレーザーアニールや固相熱結晶化、低温でのCVD成長等の技術が開発されているが、より効率的で大粒径のpoly-Si薄膜形成技術の確立が望まれている。poly-Si薄膜の形成には、ガラス基板上での結晶核形成および結晶核からのSi結晶成長プロセスを独立に制御することが重要と考えられる。そこで本研究では、Si結晶の成長核となる微細なGe結晶を、ガラス基板上に密度と大きさを制御して配列し、これを結晶核とした大粒径多結晶Si薄膜の作製法を開発することを目的としている。昨年度は、ガラス基板上のGe結晶核として、a-Geの固相結晶化により自己組織的に形成されるGe微結晶に着目し、その粒径と密度を酸素エッチングによって制御する方法を確立した。 本年度は、ガラスおよび、SiO_2付きSiウエハを用い、Ge微結晶核がa-Si薄膜の固相結晶化に及ぼす影響を検討した。一般に、a-Siを完全に結晶化させるためには600℃で50時間程度のアニールが必要となるが、本研究では、Ge微結晶核を用いることにより、480℃,8時間で完全に結晶化させることに成功した。また、50%結晶化したSi薄膜のSEMおよびμ-RHEED観察により、SiがGe微結晶核から結晶化する様子を直接確認することができた。さらに、a-Si薄膜作製方法として、電子ビーム蒸着および大気圧プラズマCVD法の2種類を用いることにより、a-Siの水素化が固相結晶化に与える影響を調べた。その結果、a-Siの水素化により、Ge微結晶核を用いた固相結晶化における成長速度が大幅に向上することを発見した。
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