研究課題
基盤研究(B)
TFTや太陽電池などの大面積電子デバイスの特性向上を目指して、多結晶Siを用いる試みがなされている。これまで、多結晶Si薄膜の形成方法として、非晶質Si(a-Si)薄膜のレーザーアニールや固相熱結晶化、低温でのCVD成長等の技術が開発されているが、より効率的で大粒径のpoly-Si薄膜形成技術の確立が望まれている。多結晶Si薄膜の形成には、ガラス基板上での結晶核形成および結晶核からのSi結晶成長プロセスを独立に制御することが重要と考えられる。そこで本研究では、Si結晶の成長核となる微細なGe結晶を、ガラス基板上に密度と大きさを制御して配列し、これを結晶核とした大粒径多結晶Si薄膜の作製法の開発を目的とした。まず、ガラス基板上の結晶核として、a-Geの固相結晶化により自己組織的に形成されるGe微結晶に着目し、その粒径と密度を酸素エッチングによって制御する方法を確立した。次に、Ge微結晶核がa-Si薄膜の固相結晶化に及ぼす影響を明らかにした。一般に、a-Siの完全な結晶化には600℃で50時間程度のアニールが必要となるが、Ge微結晶核を用いることにより、480℃,8時間で完全に結晶化させることに成功した。また、50%結晶化したSi薄膜のSEMおよびマイクロプローブRHEED観察から、SiがGe微結晶核から結晶化することを確認した。種々の作製方法で形成したa-Si薄膜の結晶化過程を速度論的に解析した。Ge結晶核からのSi結晶成長速度の活性化エネルギーは、a-Si薄膜の構造によって大きく変化し、特にSi-H結合濃度が高く、緻密性が低い場合に、Si結晶成長速度が大幅に向上することを見出した。また、結晶Geティップアレイを用いたナノインプリント法により、Ge結晶核の位置制御の可能性を示した。
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