研究概要 |
平成16年度では,「感性に基づく創発情報から三次元デジタルモデルを構築するシステム」と「三次元デジタルモデルを科学的分析に基づいて評価するシステム」を開発した.具体的な開発内容を,以下に示す. (1)感性に基づく創発情報から三次元デジタルモデルを構築するシステムの開発内容 a)製品コンセプトを表す感性言語(製品イメージ)から三次元デジタルモデルを構築するシステムを開発した. b)デザイナの描いたスケッチから三次元デジタルモデルを構築するシステムを開発した. c)仮想空間でクレイ(粘土)による造形を可能とするバーチャルクレイモデリングシステムを開発した. d)発砲スチロールなどでラフに造形された実モデルから高品質なデジタルモデルを構築するシステムを開発した. (2)三次元デジタルモデルを科学的分析に基づいて評価するシステムの開発内容 形状の美しさを科学的根拠に基づいて定量化し,設計にフィードバックすることによって,形状の修整を行うa)〜d)のシステム開発を行った. a)曲率に対する度数分布を両対数軸で表示したとき,直線の関係にあれば曲率のリズムが一定となり,美しい形状が得られることに基づいて,形状を自動修正するアルゴリズムを提案し,システムとして構築した. b)単純な曲線形状において「複雑さ」という全体形状特徴を表現する曲率エントロピーを提案した.この曲率エントロピーに基づいて,デザインされた形状の曲率エントロピーを導出して形状を評価し,曲率エントロピーの制御により形状をより美しくするアルゴリズムを提案した.同アルゴリズムをシステムとして構築した. c)形状の曲率変化が"1/fゆらぎ"をもつように形状を修正するアルゴリズムを提案し,システムとして構築した.
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