研究課題
基盤研究(B)
本研究グループは、長い歴史を持つ光干渉法による超精密形状計測法を理論的に上回る性能を有する「基準面を必要としない超精密非球面計測法」を独自に開発したことが独創的・先駆的である。独創的である根拠は、X線用ミラーは全反射ミラーであるため、形状が得られたとしても反射面で反射したX線がたどる光路を計算するためには反射面の法線ベクトルの方向を形状から計算しなければならない。当グループの形状計測法は、ミラー面の法線ベクトルの方向を直接計測し、数値積分により形状を得る。したがって、ミラーによる集光特性を直接評価するところである。本研究は、干渉法のような基準面を必要としない形状計測法で非測定面上の法線ベクトルを10^<-7>radの精度で計測し、積分することにより形状を得る新しい形状計測法を提案し、計測装置の開発をめざしたものである。開発した計測装置は、まず法線ベクトル測定精度の確認をおこない計画通りの性能を有することを確認した。次に、200mmx50mmの平面ミラーを使用して測定の再現性を検討した。再現性を検討する方法として、ミラーの長手方向の法線ベクトルを1mmピッチで測定した後、ミラーを180度回転し、回転前と同じラインを測定し、回転前後の測定値の整合性を求めた結果、3x10^<-7>radの整合性を得た。次に、スロープエラー(法線ベクトルと等価)が10^<-7>radの絶対精度が確認されている硬X線ミラー(100mmx50mm、非球面形状)を測定した結果、1.7nm(RMS)スロープエラー±2×10^<-7>radの整合性が得られた。また、本測定方法は非測定物の形状及び大きさに関して理論的に制限がないことを確認するため、長さが460mm、1000mmの平面ミラーの法線ベクトルの測定も試み、測定再現性が当初の仕様を満足することを確認した。これらの結果は、精密工学会において4回発表した。また、国際会議(SPIE、SRI)において3回発表した。また、研究に参加した学生が大学院修士論文、学部卒業論文のテーマとしてまとめた。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (9件)
SR12006, Proc. of the Ninth International Conference on Synchrotron Radiation Instrumentation, May28-June2, 2006, DAEGU, EXCO, KOREA (In printing)
2006年精密工学会春季大会学術講演会講演論文集
SR12006, Proc.of the Ninth International Conference on Synchrotron Radiation Instrumentation (May28-June2, 2006, DAEGU, EXCO, KOREA)
SPIE Annual Meeting (Opto photonics) Proceedings, San Diego, USA, in printing (2005) (In printing)
XRM2005 International Meeting Proceedings Hirneji, Japan, in printing (2005) (In printing)
SPIE Annual Meeting (Opto photonics) Proceedings, San Diego, USA (in printing)
XRM2005 International Meeting Proceedings Himeji, Japan (in printing)