研究概要 |
山中が考案した円すいディスクと両端にローラがついたシャフトを用いてトラクションドライブにより,無段変速を行う機構(シャフトドライブCVT)の研究を行っている.目標とした5項目についての17年度の進展状況は以下の通りである.〔1.スピン低減ディスクの開発〕16年度に開発したものより,さらにスピン発生量を低減したディスク形状を考案し,理論的解析を行った.これにより面圧の増加を抑制しつつ,スピンを減少させることに成功した.〔2.変速機構の実現〕新たに考案した変速機構のメリットを実証するための試験機を製作し,性能評価試験を行った.変速動作中のアクチュエータの消費動力はきわめて,小さく現状のベルトCVTの短所を解決できる技術開発ができた.またMATLABを用いたシミュレーション法も確立し,実験結果とよく一致することを確認した.〔3.伝達容量増大〕16年度に目標達成済.〔4.改良型CVTの設計と評価〕バックアップローラと新形低スピンディスクを用いて,伝達トルク300Nmを達成できる目処がついた.基本設計を完了し現在,試験機の設計を行っている.〔5.疲労強度〕疲労強度シミュレーション法の改良とプログラミングを行っている.またローラ疲労試験機の設計を行い,実験の準備中である.
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