研究課題
本研究課題では、我々がこれまでに蓄積してきた研究成果、技術、ノウハウなどをより複雑な流れ場から発生する流体騒音の問題に展開・適用し、騒音の発生・伝播メカニズムを解明するとともにその制御法を開発することを目的としている。井上と畠山は、音を圧縮性ナビエ・ストークスの式から直接求めるためにこれまでに開発してきた有限差分法に基づいた高精度(空間6次、時間4次)の計算コードを、流れに垂直および平行に置かれた二角柱から発生する音の問題に展開・適用し、レイノルズ数と角柱間距離が同じでも初期条件により二つの異なった音波の発生状態が生じ得ること、二つの物体間距離により音の発生が大きく抑制されたり増幅されたりすることなど、これらの問題における音波の発生と伝播の基本的メカニズムのいくつかを明らかにした。また、流れに角柱が3個垂直に置かれた場合の音場を解析し、角柱間距離により流れ場及び音場が大きく変化すること、音のうなり現象が発生する場合があること、などを明らかにした。さらに、円柱に回転振動を与えることにより、発生する音場を大きく制御できる可能性があることを示し、騒音制御法の開発に大きな示唆を与える結果を得た。福西は前年度に引き続きキャビティー内に制御板を導入することによりキャビティー騒音を大きく低減できることを実験的に明らかにし、新幹線騒音の制御などへの応用の可能性を示した。中村は超音速噴流から発生するジェット騒音に加え、地面板上の角柱から発生する音のメカニズムも数値的に明らかにし、自動車のドアミラーから発生する空力音の制御などへの応用可能性を示した。石井は前年度に開発したキャビティー騒音を数値的に調べるための新しい高精度三次元有限差分法の有用性をさらに詳細に検証し、キャビティーのスパン長の騒音発生に及ぼす効果などを明らかにした。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (16件)
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