研究課題/領域番号 |
16360087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福西 祐 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60189967)
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研究分担者 |
伊澤 精一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90333856)
井上 督 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (00107476)
井門 敦志 (財)鉄道総合技術研究所, 技術開発事業本部, 主任研究員
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キーワード | ピエゾ素子 / 空力音 / キャビティ / 流れの制御 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
流れがはく離するキャビティ上流端は、撹乱に対する受容性が最も高い。そのような位置にピエゾブレードを取り付け、そこから周期変動を導入することで、流れ方向に同じ周期をもちながらスパン方向には位相の異なる流れ場を作り出すことができる。これまでの実験から、このような変動パターンによってスパン方向に隣接する位置から位相の異なる空力音を発生させることで、遠方場においてそれらがお互いに打ち消し合って全体として発生音を低減させる効果があることがわかっている。本年度は、ピエゾ素子を貼り付けたT字型のプレートを複数用意し、ピエゾの駆動周波数にプレートの共振周波数を一致させ、さらに大きな変動を導入することを試みた。その結果、アクチュエータの固有振動数が制御対象のキャビティ音の支配周波数に等しくなると、騒音低減効果が大きく増加することを確認した。しかしながら、この方法ではアクチュエータの性能に限界があり,より高性能なアクチュエータの製作には軽量で弾性率の高い新素材が必要であることも明らかとなった. 一方、キャビティ内部に小さな板状の遮蔽物を挿入するだけでもせん断層に影響し、その挿入位置によってはキャビティ音が大きく減少することもこれまでの研究によりわかっている。そこで、キャビティ音の発生メカニズムに対する理解を深めより効率的な制御方法を探ることを目的として、キャビティ内に挿入した制御デバイスがせん断層中の渦構造にどのような影響を与え、キャビティ音がどのように変化するのかについて、あわせて実験と数値計算の両面から検討を進めた。実験から上流の境界層が層流の場合、遮蔽物の挿入位置とその騒音抑制効果は乱流の場合と大きく異なることがわかった。数値計算では実験とほぼ同様の流れ場を再現することに成功したが、定量的な評価を行うには至っていない。 数値シミュレーションによる空力音響場の予測精度を向上させるため、一様流中に置かれた2次元円柱から発生するエオルス音の新しい評価式を提案し、2次元圧縮性流れのDNSデータとの比較検証を行ったところ、遠方場の圧力変動だけでなく平均圧力についてもよい一致が得られた。
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