研究分担者 |
吉川 典彦 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (60135423)
角田 博之 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助教授 (10207433)
古畑 朋彦 群馬大学, 工学部, 助教授 (80261585)
鈴木 健 産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 主任研究員 (50357282)
久保 貴 エコトピア科学研究所, 助手 (20372534)
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研究概要 |
平成18年度の研究は前年度からの継続として遂行された.研究実績の概要を以下に示す. (A)高分解能多成分変動濃度計測システムの開発とれによるの多成分物質の混合・反応場の測定 前年度に引き続き,光ファイバ型3成分物質変動濃度マイクロ計測システムの精度の検証を行った.その結果,濃度0の場合の参照光側出力と測定光側出力を使用して,実際の濃度場信号を補正,算出する方法を考案した.また,当初必要であろうと予測した電流電圧変換は不要であることを確認した.さらに、2次元反応性乱流噴流発生装置を完成し,新濃度計測システムにより無反応濃度場の測定を行った.得られたデータから濃度場の平均値,変動r.m.s.値など基本的な統計量を調べた結果,従来の濃度計則システムとほぼ同じ結果が得られ,新システムが有効であることを確認した.さらに,従来の濃度計測システムにより,2次元反応性乱流噴流において,2次オーダーの化学反応過程(R+B→S)の実験を行い,化学反応と乱流の関係について考察した. (B)確率微分方程式とランダムフーリエモード法による拡散・反応の数値シミュレーション 前年度に引き続き,軸対称乱流噴流に対して,ラグランジュ的確率密度関数法(PDF法)により単成分物質拡散場や2次オーダーの化学反応過程の計算を行った.今回は,速度場の2次モーメントまでの情報を実験データから与え,濃度場にのみPDF法を適用するという半経験的PDF法により計算した.なお,分子混合モデルとしては前年度と同様にIEMモデルのみを使用した.その結果,この半経験的PDF法により,反応に関わる全成分の変動強度場の計算に有効であることを確認した.一方,ランダムフーリエモード法については,急激変形理論と組み合わせることにより2次元対称翼周りの乱流場を計算した結果,変動乱流場,特に変動スペクトル分布の変化が精度よく予想出来ることを示した.現在,ランダムフーリエモード法に分子混合モデルを組み合わせたハイブリッド型PDF法を開発中である.
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