研究課題/領域番号 |
16360104
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長谷川 達也 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40164818)
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研究分担者 |
北川 邦行 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (00093021)
小林 敬幸 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教授 (90242883)
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キーワード | 水熱酸化 / エタノール / 過酸化水素 / 湿式燃焼 / 臨界点 / 状態方程式 |
研究概要 |
前年度に製作した燃焼装置を用いて、亜臨界/超臨界条件下での湿式予混合燃焼に与える予熱温度の影響、酸化剤濃度の影響を調べた。燃料としてはエチルアルコール水溶液、酸化剤として過酸化水素水溶液を用い、燃焼装置の3カ所における温度測定と生成ガスの成分分析を行った。実験の結果、予熱温度が高くなればなるほど、反応の進行が早くなり、反応管下流部から上流部に温度ピークが移動すること、酸化剤濃度を増やすと温度上昇が大きくなることが分かった。また酸化剤濃度が少ない場合は、部分酸化による水素、メタン、一酸化炭素の発生が見られるが、酸化剤濃度を増やすと、水素、メタン、一酸化炭素の濃度が減少し、逆に酸化反応による二酸化炭素の増加が観察された。またエタノールの亜臨界条件下での酸化反応速度は知られていないため、燃焼装置の3カ所のサンプリング穴から成分抽出が行えるように改造を行い、異なる温度条件におけるエタノールの濃度の変化を調べて、酸化反応速度を求めた。 次に、前年度に開発した湿式予混合燃焼の一次元数値シミュレーションコードに、実験で得られた反応速度を組み込み、予熱温度、酸化剤濃度の影響についてシミュレーションを行い、実験との比較を行った。予熱温度が大きいほど反応速度が大きくなり、温度ピークが上流へ移動すること、酸化剤濃度が大きいほど温度上昇が大きくなることが示され、実験結果を説明できることが分かった。 以上の成果については、International Symposium on EcoTopia Science 2005(2005.8)、7th World Congress on recovery, Recycling and Re-integration(2005.9)、第42回日本伝熱シンポジウム(2005.5)、第43回燃焼シンポジウム(2005.12)などにおいて口頭発表されている。また平成18年度に開催される国内・国際会議での口頭発表、国際雑誌に投稿する実験および計算についての論文2編を準備している。
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