研究概要 |
本研究を遂行するのに不可欠な大口径・高解像力光増幅光学装置の納品が12月以降となることが判明したので,当初の実施計画の順番を入れ替えて実験を遂行した.すなわち,はじめに,次年度予定の高圧雰囲気での予備実験として,密閉容器内における渦輪の燃焼実験を行った.そのための,渦輪発生装置,イグナイター,高速度カメラ,画像粒子流速計の同期コントロールシステムを構築し,着火のタイミングを細かく制御して様々な状態(定常進行渦輪,生成初期渦輪,壁面到達後の伸長渦輪)の渦輪に着火した場合の容器内圧力波形を測定し,壁面衝突後の伸長を受けた渦輪に着火すると他の場合に比べ容器内到達圧力は高くなり,また,その到達時間も短縮化されることが明らかになった.本結果は,2004年12月,岐阜で開催された第42回燃焼シンポジウムの席上で発表した. 次に,12月に納品の運びとなった大口径・高解像力光増幅光学装置を高速度ビデオカメラに装着し,渦輪内を伝播する火炎の撮影を詳しく行うとともに,構築された同期システムを用いて画像粒子流速計による流速測定を行い,最大周速度と火炎速度との関係を厳密に測定した.さらにまた,画像粒子流速計の測定結果を吟味・解析し,渦核の大きさも割り出した.その結果,火炎速度は最大周速度にほぼ等しく,最大周速度の増加とともに増加していくが,火炎直径は減少し,これがほぼ渦核直径以下となると,火炎速度は最大周速度を下回るようになることがが明らかになった.本結果は,H17年12月東京で開催される第43回燃焼シンポジウムの席上で発表する予定である.
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