研究概要 |
(1)開発する除振装置の機構設計や制御系の最適化について,提案する方式が最も効果的である鉛直方向の除振に焦点を絞って検討するために,空気圧アクチュエータを利用した3自由度アクティブ除振装置を試作した.試作した装置は,除振テーブル,中間台,中間台から除振テーブルを支持する空気圧アクチュエータ(3個),ベース,ベースから中間台を支持する空気圧アクチュエータ(3個)から構成されている.そして,基本的には,前者の空気圧アクチュエータは負の剛性を持つ支持機構,後者のアクチュエータは正の剛性を持つ支持機構を実現するのに用いた. (2)中間台から除振テーブルを支持する空気アクチュエータを利用して所定の大きさの負の剛性を持つ支持機構を実現した. (3)(2)で設計した制御系を実現し,地動外乱に対する振動絶縁特性や,直動外乱に対する制振性能を評価した. (4)荷重支持機構を備えた基礎的な1自由度除振装置を試作し,荷重支持機構の有効性について,理論・実験の両面から検証した.この研究で扱う方式では,ばね定数の大きさ(絶対値)が等しい正のばねと負のばねとを直列に結合した支持機構に対し,さらに並列にばねを接続しても,全体のばね定数が無限大のままであることを利用する.試作した実験装置では,負の剛性を持った支持機構を実現するのに,ゼロパワー磁気浮上機構を利用した.除振テーブル及び中間台は,鉛直1自由度の並進運動をするように,それぞれベースからエデンばねによって支持した. (5)ゼロパワー制御系を実装した状態で除振テーブルに静的な荷重を加えていき,そのときの除振テーブル,中間台の変位を測定し,直動外乱に対する剛性を実験的に評価した.
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