研究概要 |
前年度に実施した荷重支持機構を備えた除振装置の研究結果を踏まえて,荷重支持機構を備えたユニット型アクティブ除振装置の開発を行った. (1)荷重支持機構を備えたユニット型アクティブ除振装置の設計・製作 前年度の研究を踏まえて,荷重支持機構によってアクチュエータにかかる荷重を軽減するという方式を採用したユニット型アクティブ除振装置の設計・試作を行った.荷重支持機構としては,当初は,パッシブな除振装置で最もよく用いられている空気ばねを用いる予定であったが,非線形性が強く,制御性が良くないので,最終的にはコイルばねを用いた.また,負の剛性を実現するには,コスト面からゼロパワー磁気浮上機構を利用した.従来,ゼロパワー磁気浮上機構を利用すると,除振テーブルの吸引力が作用する部分を中間台の下側に設ける必要があるので,除振装置の構造が複雑になり,装置の設計の自由度を狭めてしまうという問題があった.これに対し,本年度の研究では,荷重支持機構によって除振テーブルに作用する重力より大きな上向きの力を発生させることによって,除振テーブルの磁石の吸引力が作用する部分を中間台の下側に設ける必要をなくし,装置全体の構造を単純化することに成功した. (2)除振制御系の設計と実装 試作したユニット型除振装置の制御系の設計・実装を行った. (3)除振性能の評価と最適化 ゼロパワー制御系を実装した状態で除振テーブルに静的な荷重を加えていき,そのときの除振テーブル,中間台の変位を測定し,直動外乱に対する剛性を実験的に評価した.
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